文化 養父市国際交流員 ロメロ・セサルの養父市にメロメロ

■Vol.17「個性豊かな先住民族」
私の母国、カナダとコロンビアには数千年にわたり現国家の領土である大地に根付いて生活してきた多くの先住民族がいることをご存知でしょうか。
植民地化と西洋文明の影響により先住民族の存在は薄れたものの、今日では両国の政治、社会、文化における重要な役割を担っています。
カナダにはファーストネーション、メティス、イヌイットという、3つの異なる先住民グループが存在し、50以上の民族を構成する630以上ものコミュニティが全国各地に暮らしています。同じくコロンビアにも、多様なルーツ、言語、伝統文化を持つ約115の先住民族が暮らしています。それぞれ豊かな文化遺産があり、カナダとコロンビアの多様なアイデンティティに大きく貢献しています。
「いのち輝く未来社会のデザイン」というテーマで開催されている、大阪・関西万博に参加しているカナダとコロンビアのパビリオンでは、先住民の伝統手芸、音楽、農業、アート、環境管理等、様々な知識や慣習について紹介されています。また、彼らの創造性豊かなタレントから生まれる同国の未来の持続可能性と環境保全への取り組みについての洞察を与えてくれる体験プログラムが用意されています。
カナダやコロンビア社会の中で先住民が存在感を強めていくことを期待するとともに、日本人をはじめ、多くの人に彼らの計り知れない価値を知ってほしいと思います。