文化 まちの文化財(248)

■建屋の中島晧象(なかしまこうしょう)
中島晧象(なかしまこうしょう)先生(大正14年〜平成16年)は、養父市建屋出身の書家です。昭和22年に臨済宗大徳寺派に入り、宗仁という僧名を得ました。昭和30年頃には建屋小学校に勤務しました。
その後、村上三島(むらかみさんとう)氏(平成10年文化勲章受章)に師事して書を学び、京都を拠点として活躍しました。昭和62年に日展の審査員に就任され、平成8年に花園大学を退き名誉教授となりました。禅林研究者として『慶祝名句集』『隅場必携禅の語録』『書道史より見る禅林の墨蹟』等の著書があります。
昭和63年6月養父公民館で「中島皓象墨蹟展」が開かれ、作品が地元に残りました。養父中学校に漢文の掛軸があります。読み下し文は「少にして学べば即ち壮にして為すことあり。壮にして学べば即ち老いて衰えず。老いて学べば即ち死して朽ちず」で、文末に「佐藤一斎言志四録(げんししろく)之一節 皓象」と書いています。他に「真善美」の書があります。中学生へ贈る言葉です。
大庄屋記念館には「一意、心を同じくして意を一にす、紫野 晧象」の書があります。これは養父町の議長室に掲げられていたもので、「まちづくりのために心を同じくする」という意味でしょう。
建屋公民館には力強く躍動する文字で書いた「建屋公民館」の名称額があります。
(教育委員会歴史文化財課)