健康 健康ダイアリー 大腸がん検診~早期発見のため、検診を受けましょう~

国立がん研究センターのがん統計によると、日本人の死亡原因となる疾病の第1位はがんで、一生のうちにがんと診断される確率は2人に1人(2020年の統計)、がんで死亡する確率は男性4人に1人、女性6人に1人(2023年の統計)となっています。太子町における死因別死亡状況(令和6年度衛生統計)においても、がんによる死亡は第1位で全体の26.6%を示しています。
また、部位別でみると、男性は肺がん、大腸がん、胃がん、膵(すい)臓がん、肝臓がんの順に多く、女性は大腸がん、肺がん、膵臓がん、乳がん、胃がんの順(2023年の統計)になっており、いずれも大腸がんが多い状況です。
大腸がんは、早く見つければ治りやすいがんです。検診をためらわず、受けるようにしましょう。

■若い世代の発症増
大腸がんの罹(り)患(新たに診断されること)数は1975年から増加し続け、今では同年の約7倍になり、最近は若い世代の発症が増えています。その理由として、症状を過小評価したり、検診を受けなかったりすることが挙げられますが、その結果、進行した状態で見つかることも多くなっています。

■大腸がんのリスクを高めるもの
がんの発生に関して、さまざまな生活習慣が影響を及ぼしていることが近年の研究により分かっています。予防が可能ながんのリスク因子としては、喫煙(受動喫煙を含む)、飲酒などがあります。生活習慣を改善して、がんの予防に取り組みましょう。
◎喫煙 吸う人は吸わない人の1.4倍
◎飲酒 毎日、日本酒1~2合で1~4倍、2合以上で2.1倍

■大腸がんの症状
大腸がんの症状は血便や下痢、便秘、残便感などがあります。ただ、早い段階ではほとんど現れず、それが発見遅れの一因となります。そこで頼りになるのが便潜血検査です。
がんは便がこすれて出血しやすいため、便の表面を複数回こするように採り、血液成分の有無を調べます。腺腫や痔も出血して陽性になりますが、大腸内視鏡で精密検査をすれば、がんかどうかを確定できます。

■大腸がん検診
国の調査で、過去1年間に大腸がん検診を受けた人は、受けていない人より大腸がんの死亡率が70%低いとの結果が出ているため、40歳以上の人は、毎年の検査が勧められています。しかし、兵庫県の受診率は42.5%(公益財団法人がん研究振興財団がんの統計2024)と国の目標値である60%と比べて低い状況です。簡単で比較的安価で、苦痛もないのでぜひ受けてください。
また、検診で「要精密検査」という結果を受け取った場合には、必ず精密検査を受けるようにしてください。事前に下剤を飲む必要があるなど、内視鏡検査は便潜血検査より大変ですが、鎮静剤で寝かせて検査する医療機関もあります。
発見が遅れ、既に転移していたとはならないためにも、検診を毎年受け、精密検査になった場合は内視鏡検査を受け、早期発見・早期治療を心がけるようにしましょう。

■検診を受けましょう
今年度より、大腸がんの罹患率が高くなり始める40歳、45歳、50歳の人を対象に検診無料クーポン券を5月に送付しています。早期発見のためにも、ぜひ、この機会に受診してください。
太子町では、8・9月実施分の集団健診の申し込みを7月11日(金)まで受付しています。集団健診では、肺・大腸・胃・前立腺がん検診・肝炎ウイルス検診の受診ができます。広報たいし6月号に添付の申込用紙、もしくは電話(さわやか健康課:【電話】079-276-6630)でお申し込みください。また、個別健診および乳がん・子宮頸がん集団検診も実施しています。詳しくはさわやか健康課までお問い合わせください。

◆大腸がん検診無料クーポン券対象者