- 発行日 :
- 自治体名 : 兵庫県佐用町
- 広報紙名 : 広報さよう 令和7年10月号
◆優しい笑顔がつなぐ安心感
廊下には靴音が響き、穏やかな声が行き交います。詰所からはやさしい空気が漂い、明るい笑顔が重なる-落ち着いた空間に温もりが満ちています。そんな佐用共立病院で看護師として働くのが竹田朔人(さくと)さんです。
佐用高校に在学していたころ、親が介護関係の仕事をしていた影響で介護や福祉を身近に感じ、「いつか人の助けになる仕事がしたい」と思っていた竹田さん。気づけば岡山県の看護専門学校へ進学していました。
資格取得のために3年間必死に勉強しましたが、国家試験に合格できず、予定していた病院へは就職できませんでした。しかし、そんなときに声をかけてくれたのが地元の佐用共立病院。准看護師として採用され、右も左もわからないまま働く日々の中で、先輩たちから応援やアドバイスを受け、勉強時間も確保してもらえたと言います。その支えもあり、翌年には見事国家試験に合格しました。
働くうちに持ち前の人柄で病院に溶け込んでいた竹田さんは、恩返しの思いもあってそのまま就職。「女性の先輩が多いですが、よく声をかけてもらっています。知識や経験も豊富で、頼りにしすぎることも」とにっこり。
働く中で、退院した患者さんが外来で顔を見せてくれ、「元気そうだね」と声をかけてもらえる瞬間が一番うれしいそうです。「いつも笑顔で患者さんに接することを大切にしています。仕事がつらくないのは、周りの人が優しく働きやすいからでしょうね」と話します。
地元には同級生も多く、最近は仲間とゴルフを楽しむのが趣味のひとつ。居心地の良い暮らしに、「今後も佐用を出ていくつもりはありません」と語る一方、「彼女を絶賛募集中なので、相手が町外の人なら出ていくかも…」と冗談を交えつつも、「佐用にお嫁さんを連れてきます!」と、佐用への変わらぬ愛を見せます。
竹田さんの優しい笑顔は、これからも患者さんに静かに寄り添い続けます。
