- 発行日 :
- 自治体名 : 奈良県三宅町
- 広報紙名 : 広報みやけ 令和7年3月号
ナッツアレルギーとは、アーモンド、クルミ、カシューナッツなど木の実が原因のアレルギーです。日本の患者さんは増加しており、特にクルミは即時型食物アレルギーの原因第4位になっています。増加の理由はいくつかありますが、食生活の変化によるナッツを使った食品の増加は大きな要因です。幼児から大人まで幅広い年齢層にみられます。
アレルギーが疑われる場合は、医療機関で相談して検査(血液検査や食物経口負荷試験など)を受け正確に診断することが重要です。クルミ、カシューナッツ、アーモンド、マカダミアナッツ、ヘーゼルナッツなどは植物学的に違うものなので、どれか1つにアレルギーがあっても全てを除去する必要はありません。ただし、カシューナッツとピスタチオ、クルミとピーカンナッツは同じ仲間なので、どちらかアレルギーなら両方除去する必要があります(例えばクルミアレルギーと診断されたら、クルミとピーカンナッツの両方を除去)。また、自然経過での耐性獲得率は低い(自然に食べられるようになる可能性は低い)と考えられています。
ナッツ類は菓子類、ドレッシングなど多くの食品に利用されており、食品を購入する際はナッツを含む食品を避けることが不可欠です。容器包装された加工食品の特定原材料として、2023年3月からクルミは表示が義務化されたので購入する際はチェックしましょう。一方、他のナッツは表示が義務ではないため注意が必要です。また、飲食店での外食や食料品店で総菜や弁当を購入する場合に表示義務はないので、アレルギーの有無を店員に伝え、原材料に含まれないか十分注意する必要があります。
ナッツアレルギーは重篤な症状を起こす可能性がありますが、適切な知識を持ち対策を行なうことで安全に生活することが可能です。周囲の方も理解を深めることで、アレルギーを持つ方の生活しやすさにつながれば良いですね。
小児科主任部長 中農昌子