- 発行日 :
- 自治体名 : 奈良県黒滝村
- 広報紙名 : 広報くろたき 2025年4月号
▽プラン3 『持続可能な林業・商工産業の振興』
森林環境譲与税を財源とした事業費約5,000万円を予算計上しております。昨年と比較しますと約2,000万円の増額となっており、安易に基金に積むことなく、できる限りその年度で事業化したいと考えております。
森林整備に係る地域おこし協力隊員は、令和6年度末で1名となります。持続的な森林整備を進めていく上で、林業従事者の確保が重要となります。本年度も引き続き隊員1名分を予算計上し、林業の担い手育成に努めてまいります。
継続事業としては、混交林誘導整備事業委託料5,000万円、美しい森林づくり基盤整備事業補助金約2,000万円、林道吉野山鳥住線開設工事2,200万円など、豊富な森林資源の循環利用を進めていくために、関係機関とともに取り組んでまいります。
観光振興関係につきましては、本年度は黒滝森物語村のキュービクル更新に係る事業費約9,500万円、道の駅第2駐車場整備費約1,600万円、他には観光施設管理計画作成業務委託料約700万円、遊歩道危険個所改修工事300万円、観光施設修繕費等も予算計上しております。
黒滝村地域活性化センター(旧南都銀行黒滝支店跡)の活用につきましては、森林組合が株式会社モンベルの製品を委託販売することで着々と準備が進み、4月中旬にはオープンする運びとなり、地域の活性化に向けて新たな起爆剤となることを大いに期待しています。
▽プラン4 『明るく笑顔いっぱいの地域づくり、公正で活気のある村組織の構築』
農業の振興、文化作品の創作、健康増進等に取り組む事業として今年度も村民が一同に取り組み、共に参加頂けるよう、わかすぎふれあい祭の必要経費を計上するなど、プラン1とも通じて、地域に暮らす村民の皆さまが仲間としてつながり、郷土を愛して明るく幸せに暮らしていくことができますよう、積極的に推進してまいりたいと考えています。
また、高齢者が、生きがいを持って安心して生活できる環境を実現するために、村職員、社会福祉協議会が「チーム黒滝」として、互いに協力し、自立支援・重度化防止の取組を進めてきました。住民主体のいきいき百歳体操を実施する「通いの場」に加え、「ちょっとよろカフェ」も開かれ、気軽に集える場所が提供されています。このような活動を通じて、介護予防や生きがいづくりに積極的に取り組んでおり、住民の皆様が主体となって、健康寿命の延伸を図りながら、互いに支え合う地域づくりを実現していると考えております。
今後もさらなる成果を醸し出し、住み慣れた地域で健康に暮らしていけますよう、高齢者の保健事業と介護予防の一体的事業を継続して実施、支援をしてまいります。
今年度も若者の国際的な視野を広げ、地域社会へ貢献する人材育成のため、海外語学研修の費用の補助として約800万円予算計上し、多文化理解と人材育成を目指します。
行財政改革大綱の見直しの年度となり、行革大綱を更新し、類似団体比較や公の施設では民間や他地域の類似施設との比較検討も行い、将来にわたり安定した持続可能な行財政運営を図ってまいります。
一方、これらの予算を執行するための原資となる歳入予算につきまして、本村の主要財源であります地方交付税は、普通交付税が前年度より1,700万円増額の7億4,800万円、特別交付税は300万円減額の1億7,600万円を見込み、合わせて9億2,400万円を計上いたしました。
あふれる緑のふるさと寄附金は、昨年度の実績見込みを踏まえ同額の1,800万円を見込んでいます。
繰入金につきましては、財源不足分を財政調整基金から約2億1,100万円、地域デジタル推進基金約5,100万円、ふるさと応援基金繰入金1,500万円などを繰り入れ、財源の確保を行いました。
村債につきましては、森物語村のキュービクル更新事業、観光防災Wi‐Fi更新事業、小・中学校照明設備LED化事業をはじめ、国・県補助事業費、ソフト対策費などに充てるべく起債額を計上いたしました。
なお、これらの起債は交付税算入率が有利な辺地債及び過疎債、緊急防災・減災事業債などを充てることとしています。
総じて、現時点における財政状況は、概ね安定しており、先にも述べましたとおり積極的な予算編成に臨みましたが、簡易水道事業の長期改修工事等による多額の起債借り入れ等、今後は、実質公債費比率が約10%近くになることも予想され、中・長期な財政計画のもと、最適化をめざした行財政改革に取り組んでいかなくてはならないことも申し添え、主要施策の説明とさせていただきます。
黒滝村長
植田 忠三郎