- 発行日 :
- 自治体名 : 和歌山県
- 広報紙名 : 和歌山県民の友 2025年3月号
紀州材の主な用途は住宅用の建材であり、人口減少による需要の低迷が危ぶまれています。
県では、継続的な紀州材の需要拡大を図るため、建築物の木造化や木質化に取り組んでいます。
■事業者と連携した木材利用の促進
事業者等が県と協働・連携して木材の利用に取り組む「建築物木材利用促進協定制度」により、民間建築物における紀州材の利用を促進します。
▽協定締結のメリット
・県ウェブサイトでの公表などにより環境意識の高い事業者として社会的認知度が向上
・県の建築物木造木質化支援事業で追加の支援が可能
申込方法など詳しくはこちら
本紙を参照ください
■民間建築物の木造・木質化を支援
紀州材の需要拡大を図るとともに、環境や人にやさしい木材の良さを幅広く伝えるため、「建築物木造木質化支援事業」により、紀州材を使用した民間建築物(非住宅)の木造・木質化や木製品の導入を支援しています。
令和6年度からは「建築物木造木質化支援事業」の支援対象を拡充し、公共的な施設に加え、民間企業の方々が取り組むさまざまな施設にもご利用いただけるようになりました。
県ウェブサイトでも掲載
本紙を参照ください
■インタビュー
▽地元の木材に囲まれた空間で地元の名産をつくる
・有限会社紀州高田果園 代表取締役 高田 智史さん
令和6年7月建築物木材利用促進協定締結
梅干しの製造過程では多量の酸性ガスが発生するため、鉄骨造りの作業場では、塗装やサビが剥がれ落ちてくることがあります。当農園は、世界基準の食の安全管理に取り組んでおり、天日干しをするビニールハウスや樽を貯蔵する倉庫を、紀州材を使った木造に作り替えることにしました。木造にすることで、食品の安全管理体制が強化されたほか、見た目も美しく、夏涼しく冬暖かいなど、人にも梅にもやさしい環境になりました。
現在も梅酒蔵や体験スペースなど、社内施設の木造・木質化を進めています。地元産の紀州材に囲まれた空間で地元の名産を作っていく取組がこの地域全体に広がれば、木造の施設が梅畑の風景になじみ、地域のブランド力も上がっていくと考えています。
▽店内を木質化して明るく親しみやすい空間に
・ネッツトヨタ和歌山株式会社 代表取締役社長 海瀬 隆太郎さん
令和5年9月建築物木材利用促進協定締結
当社は木と気づかいで人と地域とクルマをつなぐ「KINOWA」というコンセプトのもと、木に関わるさまざまな取組を行っています。元々は、店内のキッズコーナーを改装する際に木のぬくもりを感じるやさしく安心できるものをこども達に使ってもらいたい、そして地元との繋(つな)がりを大事にしたいという思いで紀州材に拘(こだわ)ったものとしたことから始まりました。その後、店舗内装も紀州材に拘った木質化を順次すすめたほか、木を使ったワークショップなども開催し、お客様から雰囲気が明るくなった、入りやすくなった等のお声を頂戴しております。従業員からもきれいな職場になって嬉しい、気持ちよく働けるといった声が聞こえてきます。
今後も紀州材を中心にKINOWA活動をすすめ、地域との共生、発展に寄与していきたいと思います。
■建築物の木質化とは
建築物の内装や外装に木を取り入れること
▽木質化の例
・床に木材を使う
・壁や天井に木材を使う
・鉄やコンクリート等の構造材を木材で覆う
・椅子やテーブルなどの家具を木製にする
・外壁に木材を使う など