くらし 【特集】国籍をこえて支え合うまちへ 有田市でともに暮らす
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- 発行日 :
- 自治体名 : 和歌山県有田市
- 広報紙名 : 広報ありだ 令和7年11月号
有田市では、海外にゆかりのある人たちが少しずつ増えています。
文化や言葉が違っても、誰もが安心して暮らせるまちを目指して、ともに認め合い、支え合う地域づくりを、私たち一人ひとりが考えてみませんか?
有田市では、外国籍住民が市の総人口の約1%を占めています。近年、その数は緩やかに増加しています。


■外国籍住民も地域の大切な仲間
人権擁護委員 髙垣 明子(たかがき あきこ)氏
有田市にも、海外から来て暮らす人々が増えています。言葉の壁や文化の違いから、行政手続きや病院、学校、近所との関わりに不安や不便を感じることが少なくありません。生活に必要な情報が日本語だけで提供されていると、支援にもたどりつけないことがあります。
こうした「見えない壁」を取り除くためには、行政による多言語での情報発信や、日本語学習の支援に加え、市民一人ひとりの理解と協力が欠かせません。
大切なのは、外国籍住民を「地域をともにつくる仲間」として受け入れる意識です。
違いを否定せず、文化や価値観の多様性を尊重し合うことで、地域に温かなつながりが生まれます。地域のイベントや活動に声をかけてみるのも良い機会です。小さな一歩が、誰もが安心して暮らせる有田市への大きな一歩となります。
まずは、笑顔であいさつを交わすことから始めてみませんか?
■お互いを知るために「こんにちは」から
「国籍を超えて支え合うまち」に向けて、すでに有田市の中では、小さなつながりが少しずつ広がっています。
今回は、日本語学科を新設し、外国籍のスタッフも受け入れている和歌山医療スポーツ専門学校での取組から、実際の声をお届けします。
◇事務員 バッタ プラモッドさん(ネパール出身)
言葉が通じると嬉しいー
日本に来て、日本語で会話できたときが一番うれしいです。勉強してきてよかったと感じます。
あいさつから、地域とのつながりができるー
通勤のときに元気にあいさつするようにしています。仕事で知り合った方と食事をしたり、釣りに行ったこともあります。
有田市は自然も人も、あたたかいー
みかんやお魚など、美味しいものが多いです。人もとてもやさしいです。
話しかけてもらえると安心しますー
方言は難しいと感じますが、話しかけてくれるのはとてもうれしく、困っている時にやさしく声をかけてもらえると安心します。
◇尾藤 何時夢(びとう いつむ)学校長
ともに築く多文化共生のまちー
有田市にも、留学生や技能実習生など、海外から来て暮らす方々が増えています。言葉や文化、生活習慣の違いに戸惑いながらも、このまちで地域の一員として懸命に暮らしています。
私たちは、日本の文化を一方的に教えるのではなく、互いの違いを尊重しながら支え合うことを大切にしています。自転車の乗り方やゴミの出し方など、日常の小さなことも一つずつ丁寧に伝えています。
交流の中で、私たち自身が「当たり前」を見直すきっかけにもなりました。違うからこそ気づけることがある。それが多文化共生の魅力です。
これからも、国籍や文化の違いを超えて、安心して暮らし続けられる有田市を、地域みんなで育んでいきたいと思います。
■コラム 外国籍住民の方と話すときに気をつけたいこと
言葉が通じにくいと感じても、ちょっとした工夫や心がけで、安心して話すことができます。日常の中でできるポイントをご紹介します。
ゆっくり・はっきりと話す
外国籍住民の方には、ゆっくり・はっきり話すだけでも伝わりやすくなります。難しい表現を避け、一文を短くすることも効果的です。
表情やジェスチャーも伝える力に
言葉が通じにくいときは、笑顔や身ぶり手ぶりも大きな助けになります。身構えず、自然に接することが安心感につながります。
相手の文化や背景を尊重する
日本の常識が、相手にとっても当然とは限りません。宗教・食べ物・生活習慣など、違いがあることを前提に、無理に合わせさせない配慮も大切です。
「間違っても大丈夫」という気持ちで
お互いに不安や緊張があるかもしれませんが、「伝えよう」「分かろう」という姿勢があれば大丈夫。完璧でなくても、気持ちはしっかり伝わります。
■違いを力に。ともに暮らすまちへ
国籍や言葉、文化の違いから新しい価値観に触れられますが、距離を感じることもあります。言葉や文化が異なっても、私たちは同じ地域の仲間です。互いに理解しようとすることが安心の第一歩です。
外国籍住民の方を特別視せず、思いやりの気持ちでまずは挨拶から始めましょう。日常の交流が、共に暮らしやすいまちにつながります。
問合せ:市民課人権啓発係
【電話】22-3558
