文化 高野山の伝統文化4

日本仏教の聖地「金剛峯寺」のお坊さんのおはなし

◆御斎(おとき)について
今回も高野山の伝統文化として引き続き御斎にまつわる内容をお話ししてまいります。
さて、前回は僧侶の立ち居振舞いのひとつ「衣紋繕(えもんつくろ)い」について説明しましたが、次の見どころを紹介させていただきます。
挨拶も済み、来客が揃うと頃合いを見て法会会場への移動を促すため、各部屋にお声掛けします。その日の法会形式にもよりますが、先に1名入堂し作法を行っている場合があり明神講という法会の場合が、これに当てはまります。
式師(しきし)と呼ばれる上座の僧侶が先に持仏間へ入り、壇に上って明神講式(みょうじんこうしき)といわれる声明(しょうみょう)を唱えます。その後、出仕者が道場へ入ると承仕(じょうじ)(黒子役の僧侶)が所作人に花籠(はなかご)(または花枝)を配します。この時、散花(さんげ)という声明を唱えて花を散らし、道場を荘(かざ)ります。
次に対揚(たいよう)という法会の趣旨を述べる声明を唱えます。以下法会が進行するのですが本論から離れるためこの程度に留め、話を戻しましょう。儀式も終わりますと、その間に御斎の用意が整っており、ゲストたちはみなそれぞれの席次に従い着席していきます。
次回も引き続き御斎にまつわるお話しをご紹介する予定です。
つづく

問合せ:高野山真言宗 総本山 金剛峯寺
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