文化 江府町立図書館の本棚「こんな本あります!」

監修:江府町立図書館館長 宇田川 恵理

こんにちは!江府町立図書館の宇田川です。江府町立図書館の本棚にある、ちょっと気になる「こんな本」を、紹介していきたいと思います!

■『おしゃべりな絶滅動物たち』川端裕人著(岩波書店)
絶滅動物と聞くと、どのような生き物を思い浮かべられるでしょうか。恐竜のように何千年も前にいなくなってしまった生き物もいますが、本書で取り上げられているのは、つい「最近」まで地球上に存在していた生き物です。たとえば、ドードーは17世紀(江戸時代前期)ステラーカイギュウは18世紀(江戸時代中期)リョコウバトは20世紀(大正時代)に絶滅しています。
絶滅の理由は、いずれもヒトによる狩猟や生息地の破壊など人為によるものです。その絶滅に至るスピードは想像を絶するもので、ステラーカイギュウは新種の動物として発見されてから、わずか27年で最後の1頭が殺されました。数十億羽いたといわれ、19世紀後半までは普通に見られたリョコウバトは、1901年に絶滅しました。本書では、その絶滅に至る過程について、過去の研究や記録、現地での体験も踏まえ詳細に伝えています。それに加え、こうした種の絶滅が、環境へもたらす影響がどのようなものか、最近の絶滅種の復活に向けた動きと課題についても言及しています。ヒトが自然環境と向き合うということについて、考えさせられた1冊です。

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