くらし 原子力広報 松江市

令和6年度原子力防災訓練を実施しました

■原子力防災訓練とは
本市では、島根原子力発電所での原子力災害の発生に備え、地域防災計画や原子力災害広域避難計画を策定しています。地域防災計画では、国・県・中国電力(株)などの関係機関と連携して、災害対策本部の設置運営、住民への広報、住民の避難などの訓練を定期的に実施するよう定めています。
今年度は、地域住民の防災意識の向上や広域避難の理解促進を目的として訓練を行いました。
今後も訓練を通じて、課題や改善点を洗い出すことによって、計画の実効性を高めていきます。

■主な訓練概要
◇地区住民の広域避難訓練(令和6年11月16日)
PAZ(原子力発電所からおおむね5km圏内)を含む地区である鹿島地区、生馬地区、古江地区および島根地区において、広域避難計画で定めた避難先自治体(鹿島・生馬・古江地区→大田市、島根地区→奥出雲町)への自家用車またはバスによる避難訓練を行い、広域避難計画、受入マニュアルに定められた手順などを確認しました。
(1)自家用車による避難訓練参加者は、自宅からパンフレットなどを確認しながら避難を開始しました。なお、今年度の訓練は、令和6年能登半島地震時の道路寸断を踏まえ、複数の通行不能箇所を設定し、一部車両において迂回路での避難を実施しました。
(2)バスによる避難訓練参加者は、各地区のバス避難の集合場所となる「一時集結所」において、安定ヨウ素剤の配布や乗車受付などを行い、避難を開始しました。
(3)生馬・古江・島根地区のバス避難者(地区住民のうち、UPZ(原子力発電所からおおむね5~30km圏内)住民乗車)は避難の途中で「避難退域時検査」(放射性物質による汚染状況の確認)を行いました。
(4)避難者は避難先自治体の避難の目的地となる「避難経由所」で避難先自治体職員の誘導を受け、避難所へ自家用車・バスにより移動しました。
(5)避難所では、避難所生活におけるルールを定める訓練や、避難者が簡易テントやベッドを組み立てる避難所設営訓練などを行いました

■PAZ内学校などの緊急退避訓練(令和6年10月19日)
PAZの全幼稚園、小学校、中学校(7園・校)、保護者および防災関係機関の協力のもと、緊急退避所(松江市総合体育館)への退避訓練を行いました。
原子力災害広域避難計画では、島根原子力発電所で事故が発生した場合、PAZ区域の学校など(保育所、幼稚園、小学校、中学校など)は、事故発生初期の段階(警戒事態)で保護者にこどもを迎えに来ていただくこととしています。その後、事故が拡大した場合(施設敷地緊急事態)には、その時点で学校などに残っているこどもを行政が用意したバスで緊急退避所に退避させ、保護者は避難準備を整えたうえで緊急退避所にこどもを迎えに来ていただくこととしています。
今回の訓練では、事故発生初期の段階を想定した学校での保護者への引渡し、事故が拡大した場合を想定した学校・幼稚園からのバスによる緊急退避所への退避、緊急退避所での保護者への引渡し訓練を行いました。

市の原子力に関する取り組み、広域避難計画、地区ごとの避難計画パンフレットなどについては、市のホームページに掲載しています。
出前講座などの申し込み:松江市防災部原子力安全対策課【電話】55-5616

発行日:令和7年2月1日
〔「令和6年度広報・調査等交付金」で作成しました〕