健康 〈第10回〉そうだったのか!がん専門医による抗がん剤のお話

内科 診療部長 池尻文良(いけじりふみよし)
[抗がん剤治療]
この連載も記念すべき10回目となります。しかし、よく考えたら一番大事なことをこれまで書き忘れていました。この連載では様々な抗がん剤の説明をしてきましたが、実際に奥出雲病院で治療ができるのか?ということをお伝えしていませんでした。結論から言いますとリンパ腫、乳がん、肺がん、胃がん、大腸がん、膵がんなどを含んだ多くの癌の抗がん剤治療に対応できます。ただし、残念ながら放射線治療は当院でできませんので、放射線治療と抗がん剤治療を組み合わせた治療はできませんが、それ以外はほぼ対応いたします。
出雲や松江の大きな病院に抗がん剤治療を受けに行く方も沢山いらっしゃるかと思います。前回お話ししましたが、当院には私と鈴木院長の2名が「がん薬物療法専門医」という、抗がん剤治療のエキスパート資格を持っています。(島根県には15名のみ、お隣の鳥取県はわずか8名です。)奥出雲病院は都市部の大きな病院にも引けを取らない抗がん剤治療を提供できる病院なのです。
遠方の病院に通院するだけでも最低2~3時間は時間がかかるのではないでしょうか?その上、運転のリスクや体力の消耗など大きな負担があるかと思います。そういった悩みやお困りがあれば当院での治療も一度考えてみられてはいかがでしょうか?
自分自身は今まで一度も患者様に抗がん剤治療を強要するようなことはありませんでした。患者様と相談し、納得いただいて初めて治療を行っています。「副作用が強い治療は受けたくない」などの要望があれば、治療効果や副作用などを勘案し、患者様と一緒になって治療法を決めてきました。抗がん剤治療には「標準治療」という最も治療成績が良い治療法が存在します。しかし、副作用によって続けられない患者様も沢山経験してきました。そのような経験を踏まえ、患者様と相談し、標準ではなく、患者様にとって「最適」な治療法を今後も選択していきたいと考えています。抗がん剤治療の専門家として対応いたします。
奥出雲病院でお持ちしております。