くらし 年頭のごあいさつ

明けましておめでとうございます。
皆様方には、お健やかに新年をお迎えのこととお慶び申し上げます。

昨年は、世界各地で対立や紛争など国際秩序の不安定化が顕著になりましたが、間もなく米国で自国第一主義を標榜する新大統領が就任することで、世界情勢が一段と流動化するように思われます。また、環境問題では、欧州での豪雨災害など気候変動の影響が年々増大しているように感じます。
国内では1月に能登半島地震が甚大な被害をもたらし、7月から9月にかけて全国各地で水害が頻発しました。大雨災害は浸水や土砂崩れが同時多発する対応の難しい災害であり、本町も危機管理体制の強化を図ってまいります。
昨年、本町では巻き網漁の好況や観光入込数の回復など一部に明るい兆しも見られました。地域産業の発展に向けて引き続き取り組んでまいります。
西ノ島ハーフマラソンは悪天候で中止となりましたが、帝祭、大人の島留学生によるTERRACE、ギョギョギョ魚フェスタなど多くのイベントを住民の皆様の協力を得ながら行い、賑わったことに心より感謝申し上げます。
4月には国内屈指のアウトドアブランドである株式会社モンベルと包括連携協定を締結し、連携事業の手始めとして11月に「隠岐西ノ島モンベルコーナー」を開設しました。今後はツアーイベントの開催等でも連携を図ってまいります。

私は、「笑顔あふれる元気なまちづくり」を目標に、町内各界の皆様や職員との意見交換を重ねながら産業振興や生活基盤の整備、人材育成等に取り組んでおりますが、次代を担う人づくり、新たな人の流れの創出は、持続可能な地域づくりを進めるうえで特に重要な課題です。
長年にわたり「子育てしたくなる島づくり」を目指して先駆的に整備されてきた本町の子育て支援策ですが、令和5年度から保育園の給食無償化、令和6年度からは小学校・中学校の入学一時金を交付する取り組みを始めました。
また、島前3町村連携による「大人の島留学」は3年目を終えようとしており、任期終了後も町に残り、地域の担い手として活躍する方も現れています。
県や町の支援策を活用して漁業や畜産業の新規就業者が誕生し、また、特定地域づくり事業協同組合では町内事業所へ職員を派遣し、事業所の維持・拡大を推進しています。こうした新しい芽を育て、産業の担い手確保、新たな人の流れの創出を進めるとともに、都市部を対象に企業誘致・地元就業の体験ツアーなどを実施し、UIターンや交流人口の拡大を図ってまいります。

昨年策定した総合福祉施設体制整備基本構想では、将来的に旧黒木小学校の敷地内に主な関係施設を整備する方向性をお示ししました。新年度には新火葬場、また高校寄宿舎としての機能を持った体験交流施設の整備に着手する予定です。西ノ島で安心して暮らしていただくための環境整備を進めてまいります。

今年は、今後10年間の町政の指針となる新総合振興計画のスタートの年となります。住民一人一人がまちづくりの主役となり、その思いを起点に「わがとこ」に磨きをかけ、人口減少など社会の変化にチャレンジできる環境づくりに取り組んでまいります。
新しい年が皆様にとって素晴らしい年でありますようにお祈り申し上げまして、年頭のごあいさつといたします。

西ノ島町長 坂栄 一秀