- 発行日 :
- 自治体名 : 岡山県岡山市
- 広報紙名 : 市民のひろばおかやま 2025年8月号 No.1475
■老衰を穏やかに支えるために
岡山市内医師会連合会
老衰は日本人の死因の第3位に位置し、6位の誤嚥(ごえん)性肺炎(老衰と関連が深い)と合わせると第2位になります。高齢化が進む日本では、老衰で最期を迎える方が今後ますます増えていくと見込まれています。
老衰とは、特別な病気があるわけではなく、加齢によって心身の機能が徐々に低下し、自然に命が尽きていく過程です。よく見られる症状として、原因がはっきりしないまま食欲が落ち、食事や水分がだんだんと取れなくなっていくことがあります。これは体の自然な変化であり、無理に食べさせることでかえって苦痛や誤嚥のリスクを高めることもあります。こうした時期には、医療よりも介護の支えが重要になります。排泄や清潔のケア、静かな見守りが、本人の穏やかさと尊厳を保つことにつながります。
介護が必要になったら、まずかかりつけの先生と相談し、介護保険の申請を行いましょう。認定を受けると、ケアマネージャー(介護支援専門員)が担当につき、介護サービスの計画を立てたり、日常の悩みに寄り添ってくれたりします。
どこで、どのように最期を迎えたいかを早めに話し合い、支援体制を整えておくことが、本人と家族にとって大きな安心となります。