- 発行日 :
- 自治体名 : 岡山県津山市
- 広報紙名 : 広報津山 令和7年9月号
津山の人・物・技術など、明日誰かに自慢したくなる津山のいいところを紹介します
■自身著作の絵本を市内の小学校などに寄贈 絵本作家 関屋 敏隆さん
津山市出身。大学生のころから自転車で各地の風景や人々をスケッチして回り、旅や探検をテーマにした多くの作品を手掛ける。絵本『ぼくらは知床探険隊』を市内の小学校、幼稚園などに寄贈。子どもたちに自然や探検の魅力を伝え続けている。
◇絵本を書き始めたきっかけ
美術大学に通っていたころから、自転車で日本中を巡り、行く先々の風景や人々をスケッチしていました。そのうち、道すがら感じたことを、多くの人に伝えたいと思うようになりました。スケッチだけでは伝えきれない旅の面白さや、出会った人たちとの物語を残しておきたくなり、文章と絵を組み合わせた絵本という形に自然にたどり着きました。
◇知床の子どもたちと探検
旅をした中でも、北海道の知床の自然の雄大さは格別でした。羅臼町では、子どもたちが知床岬まで探検する「ふるさと少年探険隊」という行事があり、一緒に参加させてもらいました。大自然に果敢に挑む子どもたちの姿に感動した体験をもとに生まれたのが『ぼくらは知床探険隊』です。この絵本を津山の小学校などに寄贈したのは、「津山の子どもたちにも、雄大な自然や探検の世界を感じてほしい」そんな思いからでした。
◇絵本を作る上で大切なこと
本やインターネットで調べた情報だけでは、空気感は伝わりません。絵本作りをする上で、現地に出掛けることを何よりも大切にしています。その場に立ち、景色を見て、風を感じ、音を聞き、匂いを嗅いでみる。そうやって得た感覚を記憶し、思うがままに絵や文章にしています。
◇今後の夢
絵本制作などで縁がある北海道稚内市には、コーヒー豆が薬として使われていたという歴史があります。津山藩には、早くから「珈琲(コーヒー)」に注目し、研究していた洋学者宇田川榕菴(ようあん)がいました。この共通のテーマをきっかけに、津山と稚内の間に文化的な交流が生まれることを願っています。その第一歩として、津山の珈琲にまつわる文化や歴史が題材の絵本を作り、稚内や他の地域の人たちに、津山の魅力を発信したいです。
◇津山の子どもたちへ
いろいろなことに興味を持って、たくさん冒険してほしいです。冒険は、遠くに行かないとできないものではなく、身近な場所にも、新しい発見や面白いことはたくさんあります。いろいろな体験をして、自分なりの感動を見つけ、その感動を、周りの人に伝えてください。それがきっと自身の成長につながり、津山の未来を明るくする力になると信じています。