- 発行日 :
- 自治体名 : 岡山県吉備中央町
- 広報紙名 : 広報きびちゅうおう 2024年12月号 Vol.242
~町内にある文化財を探訪してみよう~
【松原八幡宮社殿(まつばらはちまんぐうしゃでん)】
町指定重要文化財(建造物)
■解説
吉川八幡宮の社伝によると、黒山の松原八幡宮の地は、吉備国への行幸の際に訪れた応神天皇が「四神相応の地」であると述べ、自らの鉾(ほこ)を立て、松を植えたとされています。同地は応神天皇の行幸ののち「松原八幡森」と称されていましたが、平安時代の貞観(じょうがん)3年(861年)ごろ、当時の有力者であった藤原監物が小社殿を造営したのが松原八幡宮の始まりといわれています。
そして、永長(えいちょう)元年(1096年)、吉川の刈覆山(かりおやま)に社地を築いた際に、黒山の松原八幡宮から御神体を移し、吉川八幡宮が創建されたと伝えられています。現在の松原八幡宮の社殿は、黒山村でのこうした歴史を後世に伝えるため、江戸時代後期の安政(あんせい)4年(1857年)に建立されたもので、一間社(いっけんしゃ)流れの造りです。
■吉備中央町文化財保護委員からのワンポイントアドバイス
〔沼本 龍(ぬもと りゅう)委員〕
黒山の松原八幡宮は、その規模は小さいものの、現在の吉川地区の成り立ちに深い関わりがある神社です。これに関連して、旧黒山村と旧吉川村の境には、御神体の受け渡しが行われたことにちなんで「譲乢(ゆずりだわ)」という地名も残っています。松原八幡宮境内は小高い山の頂上一帯に位置し、吉備高原の古代史の一端を身近に感じさせてくれる場所といえます。なお、同八幡宮の隣の社には、木野山神社(分社)が祀られています(左上の写真参照)。
※写真は本紙PDF版27ページをご覧ください。
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