くらし 年頭のあいさつ
- 1/40
- 次の記事
- 発行日 :
- 自治体名 : 広島県庄原市
- 広報紙名 : 広報しょうばら 2025年1月号(No.238)
庄原市長 木山耕三
明けまして、おめでとうございます。
市民の皆様には、希望に満ちた新春を穏やかにお迎えのことと、心からお慶びを申し上げます。
旧年中は、市政の推進に格別のご理解とご協力を賜り、厚くお礼を申し上げます。
昨年は、元日に発生した能登半島地震に始まり、8月には南海トラフ地震臨時情報の発表もあり、改めて自然災害の恐ろしさと日常の備えの大切さを痛感した一年となりました。
さて、本市は、10年前に民間組織である「人口戦略会議」が公表した報告書において、「2040年までに消滅する可能性がある」とされておりましたが、昨年4月の同様の報告書において「消滅可能性自治体」から脱却をいたしました。これまで、人口減少を最重要課題と捉え「産科医療の再開」や「こども未来広場の整備」など、子どもを産み育てる環境整備など、若者の定住に不可欠な施策を積み重ねてきたことが、成果として現れたものと考えております。しかしながら、人口減少や少子高齢化の進行は依然として厳しい状況にあります。引き続き、これらの困難を乗り越えて、希望あふれる年となるよう取り組みを続けてまいります。
■令和6年の取り組み
1月に、国土交通省中国運輸局が「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」に基づき、全国で初めて「再構築協議会」を設置し、3月には、「芸備線再構築協議会」の第1回会合が行われました。芸備線は本市にとって貴重な交通手段であり、これまでも日常利用だけでなく、観光利用においても重要な地域資源であると考え、利用促進に取り組んでまいりました。ネットワークはつながってこそ意味があります。今後も、鉄道のネットワークを生かし、利用促進に取り組んでまいります。
4月には、完成を待ち望んでいた「株式会社フォレストワン庄原工場」が竣工いたしました。新工場の竣工により、庄原産材が市内に留まり、質の高い商品が数多く生産されることで、庄原産材の需要が高まり、ブランド化が図られるとともに、本市の掲げる「儲かる循環型林業」の展望が開けてきたと感じております。
9月と10月には、庄原いちばんづくり留学事業として、庄原市の仕事や普段の暮らしを体験できる2泊3日のプログラム「お試し留学」を実施しました。これは、全国各地の若者が本市に滞在しながら、庄原の強みであり、基幹産業でもある農林業や、暮らしを体験することを通じて、本市に定着してもらうことを目的とした、就労体験型プログラムです。今後は、本市での活動期間を延ばしたプログラムも実施する予定です。こうした「留学生」などの若者世代が、積極的に本市のまちづくりに参画することで、新たな発想が生まれ、地域の活力の創出につながるものと考えております。
11月には比婆いざなみ街道マラニック大会を4年ぶりに実施し、県内外から多くの参加をいただきました。今回は「芸備線を応援しマラニック」とし、コース沿線を走るJR芸備線の駅をエイドステーションとして利用するとともに、地域の皆さんが地域の特産品をふるまい、併せてJR芸備線をPRするなど、参加者と交流を深めました。さらに、初の試みとして、芸備線に乗車しワープができるなど、趣向を凝らした大会となりました。
■これからの庄原市
本年1月には、ラッピング列車のお披露目を行います。この列車を通じて、本市の魅力を多くの方に知っていただくことができるなど、誘客促進の一端を担うものとなります。今後も、ほかの交通モードに代えがたい、JR芸備線の日常利用の利便性向上に加え、交流人口の増加や地域産業の活性化など、人口減少対策上の新たな価値や役割を、最大限追及してまいります。
また、本年「庄原市」は、市制施行20周年を迎えます。記念すべき節目の年を、市民の皆さんとともに祝い、今後の本市のさらなる飛躍に向け、各種記念事業なども行う予定としております。
行政と市民が一体となり、未来に向け歩みを進める機会となるような取り組みを行います。本市の素晴らしさを市内外に向けて発信する絶好の機会ととらえ、市の魅力発信の推進につなげていきます。
さらに、本市の最重要課題の一つである人口減少対策につきましては、これまで、長期的な視点に基づき、総合的かつ粘り強く取り組む必要があることから、「第2期庄原市長期総合計画」による施策・事業を着実に推進してまいりました。
この計画は、令和7年度に最終年度を迎えます。現在、「第3期庄原市長期総合計画」の策定に向け、アンケート調査を実施しております。長期総合計画は、本市のまちづくりの指針となる計画で、市が策定するさまざまな計画の中で、最も上位の計画であり、行政と市民の皆さんが一緒にまちづくりを進めていくための大切な計画です。皆さんの意見が反映された計画を策定し、これからの庄原市を皆さんとともに市政を推進していきたいと考えております。
■結びに
市政運営には終わりがなく、時代の変化とともに、常に新たな課題も生じてまいります。これまで、庄原いちばんづくりに全力を注ぎ、一定の成果と将来への道筋を示してまいりましたが、人口減少や少子高齢化など、直面する課題は大きいものであります。これからも、歩みを止めずに、総力を挙げ取り組んでまいりましょう。
新しい年が皆様にとって幸多き1年となりますよう、心より祈念いたしまして、年頭のごあいさつといたします。
■2024年の主な出来事
広報しょうばらのバックナンバーは、市ホームページからご覧いただけます。
【HP】http://www.city.shobara.hiroshima.jp/main/government/koho/pr/
▽3月
「芸備線再構築協議会」が設置され、鉄道の維持などに向け協議を開始
▽4月
市が誘致を進めた「株式会社フォレストワン庄原工場」が稼働
▽10月
本市を知ってもらい・来てもらい・選んでもらうことを目的に「お試し留学」を実施
▽11月
5年ぶりに「比婆いざなみ街道マラニック大会」を開催
▽11月
さらなる利用促進を目指して「秋の庄原鉄道イベント」を開催