- 発行日 :
- 自治体名 : 広島県庄原市
- 広報紙名 : 広報しょうばら 2025年1月号(No.238)
市は、修学旅行などの団体を受け入れ、本市の暮らしを体験してもらう民泊事業に取り組んでいます。
本市の強みである人と自然、農林業、生活文化などの地域資源を活用し、都市と農村との交流を深めることで、市民がいきいきと暮らすとともに、庄原ファンを増やし、地域活性化に資することを目的としています。
■本市が進める民泊
市は、平成26年度に「庄原市さとやま体験交流協議会」を立ち上げ、それ以前から取り組んでいた地域と協力し、活動を進めてきました。
また、県内・隣県の自治体や観光団体とともに「広島湾ベイエリア・海生都市圏研究協議会」に加盟し、支援を受けたり、加盟団体同士の協働による受け入れやPR活動を行ったりしています。
■民泊需要の高まり
民泊事業は、新型コロナウイルスの影響で大きなダメージを受けました。全国の学校で修学旅行が中止となり、その期間受け入れをしていなかったことから民泊活動が弱まり、本市を含む多くの地域で受け入れ家庭が減少してしまいました。
その一方で、現在、学校現場では「SDGs」のような社会の持続可能性について考える取り組みが広がりを見せています。
その中で、農林漁業などの現場を体験できることや、自然を身近にした環境で暮らす人たちの営みに触れることなど、学校や都市部の生活では学ぶことができない貴重な学習・体験の機会として、民泊への関心が高まっており、この流れは当面続くと考えられています。
■受け入れまでの流れ
民泊の受け入れは、中学・高校の利用がほとんどで、多くの場合、1泊2日または2泊3日で行います。広島市での平和学習や宮島への訪問などと併せた行程の一部となっています。
▽受け入れ当日のスケジュール
(1)入村式
生徒たちが到着した後、生徒と受け入れ地域それぞれの代表があいさつを行い、班ごとに分かれ、各受け入れ家庭が自宅に連れて帰ります。
(2)家業体験・宿泊
各家庭で、その家ごとの体験を行います。農作業の手伝いや薪割り、牧場見学や博物館見学など、庄原らしい体験をします。
(3)離村式
最後は、再度生徒と受け入れ地域それぞれの代表があいさつを行い、旅立つ生徒たちを見送ります。中には涙を流す生徒もおり、民泊を通じて、人とのつながりや温かさに触れることができます。
■受け入れ家庭を募集しています!
庄原市さとやま体験交流協議会では、引き続き民泊により地域を元気にしていくため、民泊の受け入れをしていただける家庭を募集しています。
民泊に少しでも興味・関心のある人であれば大歓迎です。
昔ながらの料理や農業体験などができなくても大丈夫です。本市の暮らしをありのまま体験してもらうだけでも、生徒にとっては、都会の日常とは違う生活を体験できる貴重な機会になります。
県内外の各市町を含め、若い受け入れ家庭も増えつつあります。
受け入れにあたっては、体験料の支払いや緊急連絡体制、備品の貸し出しなど、バックアップ体制も整えていますので、安心して取り組んでいただけます。
「大変な時もあるけど、それ以上にやって良かったと思えるのが民泊」と多くの受け入れ家庭から、やりがいの声をいただいています。
ぜひ、私たちの輪に加わってください。
問い合わせ:庄原観光推進機構(庄原DMO)
【電話】0824-75-0173
民泊の詳しい内容は、こちらのホームページをご覧ください
本紙を参照ください
■~生徒・受け入れ家庭の声~
民泊は、子どもにとって一生の思い出に残る体験です。人との出会いを通して、庄原を好きになってもらい、応援してもらえることにつながります。
民泊を体験した皆さんからは、たくさんの声をいただいています。
▽生徒たちの感想
・地域の自然がそこに住む人の文化や生活に深く関わっていると知って、すごいと思った。
・修学旅行のメインは宮島探索や平和学習だと思っていたけど、民泊が一番目玉というくらい楽しくて貴重な経験でした。
・道の駅で売っているものがどのようにして作られているのか、売っている人がどのような人なのかを、知ることができました。
・普段調理することのないフキノトウや春菊を調理し、新鮮で学びがあった。友達と協力して作れて楽しかった。
・最後には祖父母の家のような安心感を感じられ、自分の祖父母に久しぶりに「会いたい!」と思った。
・買い出しに行った際、受け入れ家庭の方が、すれ違うほとんどの人とお話をしていて、近所のつながりがすごく強いと感じた。
・年をとったら田舎で暮らしてみたいと思いました。
▽受け入れ家庭の声(柳原初美(やなぎはらはつみ)さん)
受け入れを始めたきっかけは、仕事で地域活性化に携わっている娘の発案でした。やってみると、張り合いが出て元気がもらえるし、喜んで帰っていく子どもたちの顔を見ると「受け入れて良かったな」と思います。
受け入れでは、食事や天気による対応などで気も使いますが、あまり気張らず、普段の暮らしを体験してもらうことを意識しています。
また、体験料をいただくので、責任感を持つことは大切にしています。遠くから来て「庄原がいいところ」と思ってもらえたら嬉しいので、体力が続く限りは頑張ろうと思っています。
▽民泊にまつわるエピソード
本年9月23日の中国新聞の読者投稿欄に、本市の民泊に関する記事が掲載されました。投稿の主は、比和町の白幡節子(しらはたせつこ)さん。かつて民泊で受け入れた子が本市で就職し、再会して感激した、元気をもらったというものでした。
民泊は子どもたちにとって忘れられない思い出になり、長く続く縁をつくってくれることもあります。
問合せ:商工観光課観光振興係
【電話】0824-73-1179