文化 安芸高田歴史紀行

■あの日の記憶は写真の中にII[32]
安芸高田市歴史民俗博物館 学芸員 古川 恵子

◇1962(昭和37)年3月15日 準急「しらぎり」向原駅初停車(向原町坂)
1962年3月15日、芸備線と伯備線を経由する二つの準急列車の運行が始まりました。一つは岡山と広島を結ぶ「たいしゃく」、もう一つは広島と米子を結ぶ「しらぎり」です。
写真は、広島を8時27分に出発した「しらぎり」が、多くの人たちが集まる向原駅に初停車したところです。
演奏で迎えているのは、前年9月に鼓笛隊が結成された地元向原小学校の児童でしょうか。貨物用線路に降りて指揮をとる先生と太鼓やシンバル、ホームにはリコーダーの子どもたちがずらりと並び、総勢100人を超えています。
この写真の詳細は分かりませんが、この日の新聞記事には、両列車が停車する各駅が歓迎の催しでにぎわったことが書かれています。
その後、1968(昭和43)年に「しらぎり」は、急行「ちどり」に統合され役目を終えました。
※写真は本紙をご確認ください。