くらし リノベーションまちづくり RENOVATION(3)

■特牛エリアインタビュー(3)
KOTTOI AREA
□港町に残された空き家のお話 目に映る人の生活を守りたい
家守 田中 利明代表 うみまちスタイル、田中 彩季さん うみまちスタイル

□特牛ってどんなエリア?
かつてはイワシ漁が盛んで、活気があった港町。たくさんの船が入港し、飲食店や映画館など歓楽街はにぎわう。銀行や病院もあり、暮らすにも便利なまちでした。
時代とともに人は減り、目立つのは空き家。「このままだと誰もこのまちに住めなくなる」と、代々商店を営む田中さん親子が立ち上がります。

□活動を始めたきっかけは?
利明 両親が住んでいた実家の隣の空き家が崩れてきて、市に相談して、相続人を探して取り壊していただきました。ありがたいことですし、時間がかかるのは仕方がないことなのですが、4年もの時が経っていました。災害時の避難経路沿いにもたくさんの空き家。
やっぱり、住んでいる人が動かないといけないと感じました。
彩季 新しく何かを作る、というありきたりなことではなく、まちのためにできることは何だろうと。
利明 いきなり豊北町全域は荷が重いので、特牛に絞って、まずは空き家の見守りから始めました。

□どんな活動をしていますか?
利明 新聞やテレビで取り上げていただいたこともあって、空き家など困り事の相談を受けることが増えてきました。不動産業者ではないので、できることは限られますが、ここは直した方がいいよ、ここは放っておいて大丈夫、とかアドバイスはしてあげられます。
彩季 市のセミナーに参加した時、地図アプリ「リ・アース」を紹介してもらいました。これに空き家情報を落とし込んでいけば、移住先やビジネスで空き家を探している人とつながることができます。
利明 出口があるから空き家の管理ができるのです。ひたすら改修するだけでは持ちません。

□民泊を始めた経緯や思いを
利明 住宅を手放したいという方から建物を譲り受け、とりあえず少しずつ改修していました。市のワーケーションツアーの参加者に来てもらった時、「おしゃれな古民家のようにする必要はない。これでいいっていう人から、これならっていう料金をもらえばいい」と言われ、なるほどと思いました。
彩季 観光以外にも、里帰りにも使ってほしいです。「大勢でホテルに泊まると負担が大きい」とか「帰ると高齢な母に布団を干させてしまう」とか気にしなくてもいい。近くに泊まれると、夜もゆっくり一緒に過ごせますよ。

(写真)移動販売車じゃ人は住まない、近くに歩いて買い物できるお店が必要と、Yショップを開店。※写真は本紙参照

民泊施設「海月館(くらげかん)」のポイント!
・昔の建物の趣を残しながら、力を入れすぎず、無理なくできる範囲で改修。
・里帰りや仕事での滞在にも。

(写真)壁塗りの回数など、部屋によって改修の程度に差をつけ、モデルルームとしても活用。※写真は本紙参照

海月館やYショップ特牛うみまち店に込められた思い、空き家の調査や管理などの取り組みを詳しく!

【URL】https://www.instagram.com/umimachistyle/?igsh=MXQ4eHgzazdqMGFlOA%3D%3D&utm_source=qr

□リノベーターズ サミット in 豊北
リノベーションまちづくりの手法は、建物や空間だけではなく、産業や働き方、教育の分野にも活用可能!
まちの潜在資源を活用して課題解決に取り組む実践者に会えるイベントを開催します!

詳しくは13ページへ※本紙参照