- 発行日 :
- 自治体名 : 山口県下関市
- 広報紙名 : 市報しものせき 令和7年2月号
■下関高校生議会~スタートはわたしたちの声~
若者も社会の一員として意見を表明する
24人の高校生たちが、若者の声を市政に届ける
□社会がいま若者の声に耳を傾けている
■こども基本法という灯火
「下関に住み続けたいけれど、希望の就職先がない」「余暇を過ごす遊び場が少ない」「公共交通が不便だから住みにくい」など、街の状況に不満を抱えている若者は少なくないでしょう。一方で、「選挙で投票したところで何も変わらない」と諦めてしまう。社会を変えていくことは、責任を伴うことであり、さまざまな意見を調整する必要があるなど、エネルギーを要するため簡単ではありませんが、しっかり考え、声を発し続け、対話を重ねることで、「変えていける」ことは多くあります。
令和5年4月に、こども基本法が施行されました。子どもの権利を保障し、政策決定に子どもの意見を反映させる機会を拡大することが求められています。子ども自身が社会に参画しやすくなることで、若者の意見を取り入れた、魅力あるまちづくりが期待されています。
■高校生議会の開催
令和6年12月20日、緊張の面持ちで下関市議会の議場に足を踏み入れたのは、12校24人の高校生議員たち。こども基本法の基本理念のもと、行政や市議会への関心を高めてもらおうと、市教育委員会が市内の高校や総合支援学校、中等教育学校、専修学校に呼び掛け、初めて実現したものです。学校ごとに発表の機会が設けられ、普段感じている街の課題を調査し、自らの考えをまとめて、市の幹部に対して質問や提案を行いました。
豊浦総合支援学校の松宮悠翔さんは、自身が小学2年生の時に交通事故に遭った経験から、救急医療体制や長期入院を強いられる子どもたちへの教育の保障(院内学級)について質問。長府高校の村上真斗さんと中村美香さんは、若者が住み続けたくなるまちづくりに向けて、オーヴィジョン海峡ゆめ広場でのクリスマスマーケットの開催や、ひこっとランドマリンビーチでの海上アスレチック設置などの提案を行いました。その他、各校の質問等に対して、市の幹部から現状の説明や意見等を参考に前向きに検討する旨の回答がありました。
「ますますまちづくりに参加する気持ちが強くなった」と下関北高校の有田克由さん。自分たちの声が地域の未来を左右する可能性を実感したようです。
■未来を紡ぐ若者の声
自分たちが質問・提案した内容が直前の市議会でも議論されていたとの説明を聞いて「驚いた」という下関南高校の早田愛加里さんは、「市議会は私たちにとって身近なものであると実感した」としみじみ。
「若者ならではの斬新な発想を強く感じた」と、香川昌則・市議会議長。「これをもとに新たな議論が、若者も交えて深まることを期待しています」。若者の声が、地域の活性化や新たな政策のヒントになり、どのように反映されていくのか注目です。
(写真)自らの体験をもとに救急医療体制の充実を提案する豊浦総合支援学校の松宮悠翔さん。
(写真)高校生議会の議場の様子。
(写真)高校生議会宣言の決議
全会一致で高校生議会宣言が決議された。
(写真)高校生議会宣言の提案説明
下関商業高校の濱田ひよりさんが「若者が描く未来の下関の実現のため、私たち一人ひとりが行動していく」と宣言。
(写真)北島副市長の講評
「自らの経験に基づいた提案・質問で説得力があり、心に響いた。自分に何ができるかという視点からの力強い提案だった。未来の下関を担う、社会を変えていく当事者として、問題意識を持ち、課題解決に積極的に取り組んでほしい」
※写真は本紙参照
▼令和6年度 高校生議会 録画の閲覧はこちらから。
【URL】https://shimonoseki.media-streaming.jp/recording/committee/list/480
▼高校生議会 短編動画はこちらから。
※URLは本紙をご参照ください。