- 発行日 :
- 自治体名 : 山口県田布施町
- 広報紙名 : 広報たぶせ 6月13日号(令和7年)No.1065
『大谷選手の成功の要因』
田布施中学校 校長 浴口 努
現在のスポーツ界で最も活躍している人というと、おそらく多くの人がドジャースの大谷選手を思い浮かべることでしょう。その彼が今の成功に至っている要因について、高校時代から行っている『あること』が大きく関係しているといわれています。それがマンダラシートです。正方形を9分割して人生の目標をど真ん中に書き、それを実現するために必要な項目を周囲の8つの小正方形に書くというものです。ど真ん中に『ドラフト一位指名8球団』と記し、それを実現するために必要な項目を8項目挙げていますが、私が特に注目したことが『運』『人間性』を挙げていることです。野球で成功するためには、運や人間性が大事だと考えているのです。
運を引き寄せるための具体的な行為として、『ごみを拾う』『道具を大切に使う』『部屋を掃除する』『審判を敬う』『本を読む』『応援される人間になる』などを挙げています。現在も大谷選手は日々実践されているようです。
大谷選手は、裏表なく、日々ごまかしたりせずに正直に生きていくこと、そして、そういう人に運はついてくると考えているのではないでしょうか。また、運は人が運んできてくれるものだからこそ、人との出会いや縁を大切にし、これらの運や出会い、縁を生かせるかどうかは自分自身の人間性が大事であることを大谷選手は高校時代から思い、取り組み続けているのではないでしょうか。
人権教育において、よく『涵養(かんよう)』という言葉が使われます。この言葉は日頃から繰り返し巻き返し、自然に水がしみこんでいく様を意味しています。まさしく大谷選手はマンダラシートを通して、野球が上達するためには野球以外のことも重要であることを察知し、繰り返し巻き返し、人として望ましい行動を日々徹底、実践することで、今の裏付けされた成功があるのだと改めて気づかされました。