- 発行日 :
- 自治体名 : 山口県阿武町
- 広報紙名 : 広報あぶ 令和7年8月号
■齋藤先生ありがとうございました
去る6月21日、町内唯一の民間の医科診療所である齋藤医院の齋藤瑛(さいとうあきら)先生が逝去されたことは町民の皆さんご承知のとおりです。
先生は、昨年夏ごろから体調を崩され、その後もご自身の病と闘いながら診療を続けられ、残念ながら齋藤医院は、昨年12月末で閉院されましたが、閉院後も、旧齋藤医院の建物を利用して新たに開設した、町営の医療機関「なご診療所」での診療にも全面的なご協力をいただきました。
次第に体調が悪化する中で、動けない時は車椅子を使い、診療の合間にはベッドで体を休め、最後まで自らの命を削りながら、医師としての強い使命感のもと、診療にあたられていましたが、私はその姿を見るにつけ、先生自身がこれまで、町民の健康を守ってきたという強い責任感と気概、そして命が尽きるまで現役の医師でありたいという思いを体現された、まさに壮絶な中にも尊厳に満ちた見事な生き様であったと思っています。
今、町では、町営の「あぶ診療所」を核として、医療、福祉、介護や子ども家庭センター機能を備えた新たな診療所複合施設の整備に取り組んでいるところですが、私は齋藤先生の恩に報いるためにも、この施設を拠点として、町民の皆さんの健康増進と福祉の向上に全責任を持つという気概をもって、しっかりと取り組んで行かなければならないと気持ちを新たにしています。
医師の確保など乗り越えなければならない課題は多くありますが、多くの方が協力してくれており、決して真っ暗闇ではありませんので、これからの展開にどうぞご期待ください。
花田憲彦(はなだのりひこ)町長