- 発行日 :
- 自治体名 : 愛媛県新居浜市
- 広報紙名 : 市政だより「にいはま」 令和7年(2025年)2月号
■物語(7) 旧山根製錬所煙突(国登録有形文化財)
山根公園の南、「えんとつ山」の愛称で知られる生子山(しょうじやま)にあるれんがの煙突は、明治21(1888)年に操業を開始した山根製錬所の煙突です。
山根製錬所では、それまで廃棄していた銅の成分が少ない鉱石(貧鉱)を粉にして水に溶かし銅を回収していました(湿式収銅法)。
また、副産物として硫酸などの化学薬品の製造や製鉄実験も行うなど、最先端の化学工場でした。
しかし、当時の技術力では、海外製品に対抗できず経営が悪化し、煙害問題も重なって明治28年に閉鎖されました。わずか数年の稼働でしたが、煙突は140年前の雄姿を今に伝えています。
現在は、地元の有志「えんとつ山倶楽部」によるボランティアで散策ルートなどが保存整備され、夜はライトアップされるなど、象徴的な別子銅山産業遺産の一つとなっています。
問合せ:別子銅山文化遺産課
【電話】65-1236