文化 新居浜の玉手箱 vol.40

■印紙にみる税制の歴史
―中萩町役場文書(もんじょ)より―

右の写真は、中萩町役場の公文書から出てきた「取引高税印紙」です。取引高税とは、昭和23(1948)年に導入された税の一種です。物品販売業などの39業種の営業者が扱う全ての取引価格に対し、1%の税率で課税されました。
当時は、所得税や相続税、酒税などが主な税でしたが、戦後の税収難の打開と所得税の減税を目指して導入され、確実に収税するために印紙納付でした。使用済の印紙は学校などに寄付され、額面に応じた交付金が支給されました。そのため、左のようなポスターも登場しました。しかし、印紙納付の煩雑さや負担の累積などから不評となり、昭和25年1月で廃止されます。この印紙はわずか一年半ほどしか発行されませんでした。
このような史料は、個人宅などに眠る古文書とは違う行政独自のもので、終戦直後の財政を物語る史料として貴重であるといえます。

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