- 発行日 :
- 自治体名 : 愛媛県久万高原町
- 広報紙名 : 広報久万高原 2025年5月号
■新参外来種 ヌートリア
水かきのある足、長い尾、小さい目と耳に赤い前歯。そんな特徴を持つ外来種、ヌートリアが昨年愛媛県で初めて捕獲されました。南米原産のネズミの仲間ですが、頭から尾までの長さは約1m、体重は10kg近くに達することもあります。大きな個体はネコよりも大きく見えるほどです。
日本には明治時代末期から毛皮用に持ち込まれ始め、西日本を中心に定着しています。これまで四国では確実な記録がありませんでしたが、2024年5月31日に松山市の中島沖で泳いでいる様子が撮影されました。その後、6月20日には中島の民家前にいた個体が捕獲され、愛媛県初記録となりました。
主に水辺に生息し、イネなどの農作物に被害を出すほか、水辺の土手に巣穴を掘り、堤防や水田の畔を破壊してしまうこともあります。加えて年に15匹ほど子供を産みます。短期間で繁殖して個体数が増えていく様子はまさにネズミ算式です。今のところ県内での追加記録はありませんが、侵入していないか要注目です。(安田)
■学芸員のつぶやき
現在開催中の企画展「えひめの外来生物」では、昨年愛媛県で捕獲された個体の剥製を展示中。ネズミとは思えないその大きさをぜひご覧ください。
問い合わせ:面河山岳博物館
【電話】58‒2130【HP】http://www.kumakogen.jp/site/omogo-sangaku/