文化 【ふるさと魅力発信】面河山岳博物館

■日本最大の蚊
夏に向かって気温が高くなり、窓を開ける機会が増えてきました。野外や家の中で悩まされる蚊ですが、博物館の周辺では特大サイズの蚊が入ってくることがあります。
その名はトワダオオカ。日本各地の森林に生息し、博物館周辺では多数生息しています。見た目は一般的なヤブカとあまり変わりませんが、体に青色の金属光沢がある美しい種類です。気になる体長は15mmほどと、一般的な蚊の倍以上。「ぷーん」と大きな羽音を響かせながら飛ぶ様子は蚊とは思えない迫力さえ感じられます。刺されたらひとたまりもないように思えますが、ご安心を。この蚊はオスもメスも人や動物から吸血せず、花の蜜を吸う無害な種類です。
幼虫は木のうろにたまった水の中で生活し、他の蚊の幼虫を食べます。エサが少ないと共食いもすることから、複数の幼虫が育つには多くのうろが必要になります。そのため、本種が多く見られる場所は、良好な環境が残っていると言えるでしょう。その大きさからぎょっとするかもしれませんが、見かけたらぜひ観察してみてください。(安田)

▽学芸員のつぶやき
どういうわけか、博物館近くにある電柱には、かなりの頻度でトワダオオカが止まっています。多いときには5匹以上がいることも。ねらって本種を見ることができる場所はなかなかありません。

問合せ:面河山岳博物館
【電話】58‒2130【HP】http://www.kumakogen.jp/site/omogo-sangaku/