文化 むかしの道具

■おひつ
炊きあがったご飯を保温・保存しておく入れ物です。飯櫃(めしびつ、いいびつ)などとも呼ばれます。平安時代末期の辞書に名前があり、古くからある道具です。
炊飯器が発明される以前は、釜でご飯を炊いており、釜からおひつにご飯を移して食膳に運び、器に盛りつけました。また、おひつは残りご飯の保存のためにも使用しました。
多くは木製で、木が余分な水分を吸い、ご飯がべたべたになることや乾くことを防ぎ、食材がいたみにくいともいわれます。夏場は腐りやすくなるため、竹製の飯かごに移すなどしました。
昭和30年代に保温ジャーや電気炊飯器が現れると、次第に使用されなくなりましたが、料亭や寿司屋などでは重宝され、最近ではご飯をおいしく食べられる道具として見直されています。
(砥部むかしのくらし館所蔵)

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