くらし FROM ME TO YOU みんなでつないでリレーエッセイ

「運転手」
土居和博(かずひろ)さん(44)[富長]

私は長距離トラックの運転手をしています。もともと車の運転が好きで、22歳のときに大型免許を取得し、物流の世界に飛び込みました。全長12メートルの大型トラックに乗って北は仙台、南は鹿児島まで走ることもあります。
この仕事はただ運転するだけではありません。交通ルールを守りながら効率よく、目的地に到着する必要があります。車を動かす前には運行計画を立て、ルートや道路状況をチェック。運転中は大きな車体を安全に動かすため、細やかな目配りを心掛けています。時間通りに無事に荷物を届けられるよう、責任を持ってハンドルを握っています。荷物の積み降ろしも大事な作業の一つ。内子町の特産品の柿などは、多いときで1000箱ほどを運送します。手作業で積み降ろすので、体力や忍耐が求められる、なかなかタフな仕事です。
でも、しんどいことばかりではありません。運転席からきれいな景色を眺めたり、日本各地のおいしいご飯を食べたりと、この仕事ならではの楽しみもあるのでやめられません。静岡県を走っていたときに見た、雪が積もる富士山と太平洋の眺めは最高でした。
物流は日本の経済や人々の生活を支える根幹です。その一翼を担っていると思えば、仕事への誇りも生まれます。苦労も多いですが、その分やりがいを感じられる職種です。若者にも運送業界に興味を持ってもらい、日本を支える力となり、一緒に頑張ってくれる人が増えるとうれしいです。今後もプライドを持ってこの仕事を続けていきたいです。

次は、上田和輝さん〔和田〕にお願いします。