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◆町財政の健全化について(令和7年12月8日更新 令和8年1月9日一部修正)
町民の皆さまにご心配をお掛けしている町財政の状況について、大変申し訳なくお詫びするとともに、その経緯をご説明させていただきます。
自治体には、ご家庭の急な出費のための貯蓄と同様に、将来の財源不足や大規模災害に備えるための「財政調整基金」という貯金があり、松野町の財政規模だと5億円程度が適正であると判断しています。実際には、令和5年度末には12億円の基金残高がありましたが、財源不足のため令和6年度は2.5億円を取り崩し、令和7年度も予算編成時において2.5億円の取り崩しを予算計上したところです。さらに令和8年度では最大4.5億円の赤字補填が見込まれることから、このままでは基金残高は一挙に2.5億円まで減少し、令和9年度には枯渇するおそれが出てきました。
松野町は、歳入の大部分を地方交付税などの国や県からの財源に依存しています。その中で歳出では、人件費など経常経費の高騰、電算関連業務の委託料の急増、さらには中央診療所の赤字幅の拡大といった事態が発生し、一方で歳入では、人口減少などによって交付税の算定額が減少し、歳入と歳出の不均衡が拡大したのが、今回の財政悪化の要因です。これが、ぜいたくな箱物を建てたとか、大規模なイベントを開催したとかではありません。原因が一過性のものであれば、それを取り除けば危機的状況を回避することは可能ですが、今回の場合は、一般的な行政経費の上昇に交付税が追いついていないということが主要因であり、その意味からすれば、財政悪化は構造的なものと判断せざるを得ません。
このため、これからは事業の選択と集中をさらに進めていかなければなりませんが、本町が今行っている事業の中で、無駄なもの、不要なものはないと思っています。法令に従って自治体としての義務で執り行っている事務、町民の皆さんの切実な要望に応えて実施している事業、町の課題を解決するためにどうしても取り組まなければならないプロジェクト、それらについても過大な投資にならないように心がけてきたつもりです。また、道路や水道などのインフラの整備、南海トラフ地震や風水害に対する防災減災対策、公共施設の修繕などについては、どんなに財政が厳しくても、町民の生命財産を守るため、着実に実施していかなければなりません。また、こういった事業については、国や県も補助金や地方債などで財源を確保してくれますので、これまでの姿勢を崩さずに可能な限り維持していくつもりです。
もちろん、この状況に至っては、必要な事業の中でも優先順位をつけ、我慢しなければならないもの、後回しにしなければならないものも出てくると思いますが、やみくもに事業を廃止または削減することは考えていません。特に、私はまちづくりの基本を「住民が主役、地域が舞台」と位置付けており、持続的かつ効率的なまちづくりを推進するには、各部落を基礎単位として進めることが重要という考えを堅持してきました。このため、各部落への地域づくり交付金などの支援策は、今後のまちづくりのセンターピンとして存続させていく所存です。
松野町は、20年前の平成の大合併に加わらず、単独自立の道を歩んでいます。その当時から、財政面を危惧する声は町内外から聞こえていましたが、この20年間、単独の自治体としての存在価値を十分に発揮してきたと思います。またその間、町民の皆さんのご理解ご協力によって、着実に堅実に町政を発展させていただきました。
一方で、想像を超えるスピードで進展する少子高齢化、過疎化の波に翻弄され、地方交付税に頼る財政運営の脆弱性と相まって、このような事態を招いてしまい、町民の皆さまにご心配をお掛けしたことは大変申し訳なく、重ねてお詫び申し上げます。
今回の財政悪化は、この20年間の町政の中で最大の危機とも言えますが、町の身の丈に合った財政運営に転換するチャンスとも捉えることができます。町制施行70周年を迎えたこのタイミングで、真に持続可能な森の国・松野町を創造する新しい一歩を踏み出すことができますように、皆さまのご支援ご協力をお願いいたします。