文化 鬼北の足跡をたどる〔第2回〕

■奈良山等妙寺史跡公園 鬼北の鬼と等妙寺
6月13日から公開中の映画「鬼ベラシ」。全編鬼北町でロケが行われ、等妙寺史跡公園も舞台となりました。
映画に出てくる「鬼女」は2本の角を生やしていますが、「鬼北の鬼」はどんな鬼だったのでしょうか?
「鬼北」という地名の謂れは、町の南にそびえる鬼ヶ城山系の北側にあることからきていますが、そもそも「鬼ヶ城」という山は、鎌倉時代の仇討話である曽我物語に登場する曽我の郎党「鬼王 段三郎」が大岩を引き寄せて造った「おに」の城に由来しています。「鬼王 段三郎」は、等妙寺を開いた理玉和か尚しょうに、大岩を投げて寺の建立場所を示したという伝説があり、等妙寺は、「奈良山」の神としての曽我兄弟と、神の使いである「鬼王 段三郎」(おに)を祀まつるために建てられた山寺でした。つまり、鬼北の鬼は、地域の人々が信仰の対象としてきた日本古来の山の神の使いとしての「おに」であるといえます。
その良い「おに」に見守られてきた鬼北の地で撮影された「鬼ベラシ」。出てくる鬼はどんな鬼なのでしょう。観るのが楽しみです。