- 発行日 :
- 自治体名 : 高知県四万十市
- 広報紙名 : 広報しまんと 令和7年3月号
四万十市国際交流員 蒋 潔程(ショウ ケツテイ)
■四万十市、ありがとう!
令和2年10月に四万十市にきてから、あっという間にお別れの時となりました。コロナ禍の中、不安な気持ちで広島から四万十市に向かい、汽車の中でトンネルをいくつも抜けた時のことを思い出します。当初は人生初の就職に対する緊張もありましたが、気がつけば4年半の時が過ぎていました。四万十市で過ごすことで、3つのことを学ぶことができたと思います。
まず、「おもてなし」の精神です。職場の同僚や講座の受講者、地域で出会った方々など、四万十市では誰もが私の疑問に丁寧に答え、困った時には必ず助けてくれるなど、優しく接してくれました。四万十市ならではの料理を振る舞っていただいたり、新鮮な野菜や果物をいただいたりと、温かさに包まれる日々でした。皆さんと飲むうちにお酒も強くなったと感じます。私も「おもてなし」の心を忘れず、人に優しく接していこうと強く思いました。
次に、「豊かな自然」の大切さです。四万十市では山や海、川が織りなす美しい風景にいつも癒やされてきました。夏には四万十川でサップやカヌーを楽しみ、ホタルが舞う夜には屋形船でその幻想的な光を眺めることができ、特別な思い出となりました。秋になると後川の堤防で虫の声が響き、冬には鏡のように美しい四万十川の水面を見ることができました。下田の海辺で夕暮れ時に波音に耳を傾けながら過ごしていると、心の疲れが消えていくようでした。また、季節ごとの花々も忘れられないほどきれいで、特に入田の菜の花や為松公園の夜桜、安並のアジサイの美しさには心を奪われました。この自然豊かな環境は、四万十市ならではの贈り物だと感じています。
最後に、「人生百年」という考え方です。講座やイベントでお会いした方々の姿から、年齢に関係なく新しいことに挑戦し続けることの大切さを教わりました。長年学び続ける方や退職後に中国語を始めた方々の情熱には、私も大きな刺激を受け、四万十市に来てから、車の運転や水泳ができるようになり、オンライン英会話も約230時間受けました。これからも新しい挑戦を続け、学びの精神を大切にしたいと思います。
春には四万十市を離れますが、ここで過ごした日々の景色や味わった料理、感じた心の温かさは大切な宝物です。四万十市の皆さん、本当にありがとうございました!