くらし 【特集】多文化共生〜共に安心して暮らせるまちへ〜(1)

◆お互いに地域の一員として 若松区二島校区 × KICC(北九州イスラム文化交流センター)
KICC代表・ムハマド・スブハンさん インドリヤニ・ラフマンさんご夫妻(インドネシア出身)
第36区 防犯部長 慶田勉さん

◇きっかけは地域の防犯パトロールから
慶田さん:2年前、私たちの校区に「イスラム文化交流センター」ができました。イスラム教を信仰する人たちがたくさん集まるということで、地域の皆さんも最初は不安があったようですが、挨拶をするとみんないつも笑顔で礼儀正しい。何か交流の手だてがないかと思い、私が担当する防犯パトロールを「一緒にやりませんか?」と誘いました。
ムハマドさん:すぐに「やります!」と返事をしました。近隣の方々と交流しながらイスラム文化について少しでも理解してもらえたら、と思っていたので本当にうれしかったです。
インドリヤニさん:それからは私たちも市民センターなどに近所の皆さんを呼んでイベントをするようになりました。インドネシアの民族衣装を着てもらったり、楽器の演奏をしたりと、互いの文化を理解し合う良い機会になっています。
慶田さん:「言葉が通じない」という問題は確かにありますが、親密な付き合いが続いていくと心は伝わるものですね。お互いが地域の構成員として「役に立ちたい」という思いが一番大事だと思います。

◆外国人と接する際は…「やさしい日本語」を心がけましょう
「やさしい日本語」とは、簡単な言い方に言い換えたり読みやすい表記に変えたりと、相手に伝わりやすくなるように配慮した日本語のことです。
そうした心遣いも、優しい気持ちや伝えたいという思いとなって相手に心地よく伝わります

Point(1) 簡単な言葉で言う
・方言は使わない
例)「これ、知っとお?」→︎「これ、知っていますか?」
・分かりやすい言葉を使う
例)「今朝」→︎「今日の朝」
・外来語やカタカナ語はできるだけ使わない

Point(2) ハッキリ言う
・二重否定は使わない
例)「分からなくはないです」→︎「分かります」
・あいまいな表現をしない
例)「それは結構です」→︎「それは要りません」

Point(3) 短く言う
・一文に一つの内容で伝える
例)「この道をまっすぐ行くと、郵便局が見えてくるので、その先を右に曲がります」
→︎「この道をまっすぐ行きます。郵便局があります。郵便局を右に曲がります」

◆北九州市の国籍別外国人市民
合計1万6930人 100カ国・地域
韓国・朝鮮 4432人(26.2%)
ベトナム 3144人(18.6%)
中国 3038人(17.9%)
ネパール 2009人(11.9%)
インドネシア 1139人(6.7%)
フィリピン 870人(5.1%)
ミャンマー 652人(3.9%)
その他 1646人(9.7%)
令和7年3月末時点

◆市長からのメッセージ
私たちのまちには、さまざまな国や地域の出身の方々が共に暮らし、働き、学んでいます。その中で言葉や習慣の違いに戸惑うこともありますが、それは新たな視点や学びにつながる大切な機会でもあります。
多様な方々とつながりながら暮らすことは、このまちに変化を受け入れるしなやかさと前に進む力を育んでくれるはずです。北九州市は、多様性を力に変え、世界と共に歩む「グローバル挑戦都市」を目指しています。同じ地域に暮らす仲間として、互いに理解し合い、支え合えるまちを、これからも一緒につくっていきましょう。
北九州市なら、必ず、できる!
北九州市長 武内和久