くらし ゆめっせ通信 No.26(2)

■「保護・更生」から「支援」へ
◇女性支援新法が施行され、1年が経過しました
これまでの女性支援は、昭和31年に制定された売春防止法を法的根拠として「売春を行うおそれのある女子」(要保護女子)の「保護更生」を図る事業として始まり、法制定以来、一度も抜本的な見直しがなされてきませんでした。
しかし、近年、女性をめぐる課題は多様化・複雑化・複合化し、コロナ禍によってこうした課題が顕在化したことで、新たな女性支援強化が喫緊の課題となりました。
そこで、「女性の福祉」、「人権の尊重や擁護」、「男女平等」といった視点を明確に規定する「女性支援新法(正式名称:困難な問題を抱える女性への支援に関する法律)」が新たに制定され、令和6年4月1日に施行されました。
女性支援新法では、困難な問題を抱える女性への支援に必要な施策を講じることが国・地方公共団体の責務であることを明記し、関係機関や民間団体と連携・協働して、きめ細やかな支援を行っていくこととしています。

◆「困難な問題を抱える女性」とは?
DVや性暴力・性犯罪被害、家庭関係破綻、生活困窮、孤独・孤立などさまざまな背景や困難を抱える女性を指します。
・詳しくは厚生労働省のHPをご覧ください。

◆売春防止法と女性支援新法の比較

■女性相談窓口
田川市男女共同参画センター ゆめっせでは、女性相談支援員が、電話や面接での相談に応じています。ひとりで悩まず相談してください。
※相談は無料です。秘密は厳守します。
◇相談窓口
田川市男女共同参画センター ゆめっせ
受付時間:9時から17時まで
※土曜・日曜・祝日・年末年始(12月29日から1月3日)は除きます。
電話番号:【電話】44-0159

■『デートDV予防講座』を開催しました
毎年2回実施している「恋人同士の暴力(デートDV)予防講座」を、令和6年度は10月4日(金)に西田川高等学校で、11月18日(月)に福岡県立大学で実施しました。講師には、今年度も北九州市で困難を抱える子どもと女性のための支援センターである「NPO法人FOSC」を運営されている野口真理子さんをお迎えしました。西田川高等学校では、1年生90人が受講しました。県立大学では、人間社会学部家族社会学の授業の中で19人が受講しました。アンケートでは、DVは身体への暴力・性的な暴力だけではないこと、加害者は男性だけではないこと、気持ちを言葉にする大切さ等、多くの気づきや学びを得たという感想がありました。

■女性リーダー育成研修会
◇『依頼術』を開催しました
令和6年11月19日(火)に、田川青少年文化ホール大会議室で、市男女共同参画審議会会長の井上奈美子さん(福岡県立大学准教授)をお招きし、女性リーダー育成研修会を開催しました。田川市女性人材バンク登録者や一般希望者、市職員の計20人が参加しました。今回の研修会は、頼みごとを上手く相手に伝える秘訣を学ぶことを目的として実施しました。まず、頼みごとをするときの心理についての話があり、実際に頼み事をするときに気を付けることなど教わりました。また、頼んだ後に、感謝の気持ちを言葉にすることが大事であると聞き、頼んで終わりではないということに気づかされました。
今回、学んだことを身近なところから実践していってもらえたらと思います。

▽参加者の声
・言葉次第で人を傷つけないことを知ることができた。
・「助かった」「うれしかった」など具体的な一言を付け加えると、もっと気持ちが伝わると思った。家族や会社の人にも伝えていきたいと思った。
・今日からは、これまでより気軽に「断られてもOK」の精神で依頼したいと思う。

■就職サポートセミナー『人生を楽しく過ごすためのワークプランとお金の話』を開催しました
令和6年12月20日(金)に、田川市男女共同参画センター「ゆめっせ」の講座室で、一級ファイナンシャル・プランニング技能士の白浜仁子さんを講師にお招きして、マネープランについて講演をしていただきました。最近話題の年収の壁、将来の資産形成や年金額についてなど、お金に関する情報を教えていただきました。ライフイベント表の作成を通して、いつどのくらいお金がかかるのか見通す方法も学びました。
また、福岡県ママと女性の就業支援センターの支援内容の説明もありました。就職相談から求人情報の提供、面接や就職後の支援など手厚いサポートを行っています。

▽参加者の声
・お金のことを改めて考え直す機会となりました
・福岡県がこのような事業をしているとは知らなかった

■出前講座を実施しました
令和6年11月11日(月)に田川建設会館で、人権・同和対策課出前講座を実施し田川市建設協力会から11事業所の方の出席がありました。人権・同和対策係が「日常にひそむ無意識の言動~マイクロアグレッション~」、男女共同参画推進室(男女共同参画センター)が「男女共同参画社会の実現に向けて~現状と課題~」と題してお話をしました。

▽参加者の声
・日常に潜む無意識の言動が自分の中でも多く見つけられた。これから気を付けたいと思う。
・男女間格差は社会の中ではまだまだ平等にはほど遠く、日本は特に厳しいという現実を毎回この講座で知らされています。

◇男女共同参画出前講座募集中!
※出前講座の実施は、地域貢献活動評価項目の対象です。