- 発行日 :
- 自治体名 : 福岡県八女市
- 広報紙名 : 広報八女 2025年12月1日号
■「見て見ぬふりをしていませんか~気づかぬハラスメントを防ぐコツ~」
▽自分自身の言動を日々振り返る
9月17日(水)に開催しました「人権セミナー八女2025」のテーマは、職場におけるパワーハラスメント(パワハラ)でした。そのなかで講師の高橋さんが強調されたことは、演題にもあるように「見て見ぬふりをしない」ということでした。
ハラスメントを受けた人にとって最もきついことは、周囲の人の無関心あるいは関わろうとしない姿勢だと言われます。ここに、ハラスメントを受けた側の「心理的負荷」つまり心の傷が深刻化する要因があります。ハラスメントの内容は多岐にわたりますが、いずれの場合もそれを放置することは、重大な人権侵害につながるという認識が必要です。
パワハラと並んで、セクシャルハラスメント(セクハラ)も大きな問題となっています。セクハラではよく「そんなつもりはなかった」との発言が聞かれます。しかし、相手の意に反する性的な言動は、セクハラです。これは、女性に対してだけではなく男性に対してや同性間についても同じことが言えます。
セクハラが起こる背景のひとつに「男は仕事、女は家庭」という性的役割分担意識があります。この意識が残る職場では、女性は補助的な業務の従事に留まることが少なくありません。その結果、仕事上の仲間というよりは性的な対象とみる傾向が強くなるからです。
ハラスメントは、個人の発言や行動を批判するだけで解決するものではありません。周囲の無関心や傍観、偏見など、多くの人権課題の解消を妨げている要因と重なります。そこで、自分自身の言動を日々振り返ることが大切になってきます。
ハラスメントをなくすためには、その解決を当事者まかせにせず、職場や地域全体で取り組むことが必要です。
《メッセージ》
特定社会保険労務士
高橋美紀(たかはしみき)さん
ハラスメントは、誰にとっても身近に起こりうる課題です。まずは小さなサインに気づき、見て見ぬふりをしないことが、安心して働ける職場づくりの第一歩です。
一人一人が「NOパワハラ」を自分事として意識し、互いを尊重する空気を育むことが最大の対策になります。
さらに「ありがとう」と伝え、名前を呼びあう日常の積み重ねは、働く人を支えあう確かな力となります。
そして、その積み重ねこそが仲間への信頼を深め、誰もが安心して成長できる環境をつくり出します。
こうした小さな気づきと行動が広がれば、笑顔あふれる職場がこれからもっと増えていくでしょう。
高橋 美紀
◆人権週間
12月4日~10日
人権週間は昭和23(1948)年12月10日、国際連合で「世界人権宣言」が採択されたのを記念して定められました。
日本では12月10日を最終日とする一週間を「人権週間」と定め、全国的に人権啓発活動をしています。
◆北朝鮮人権侵害問題啓発週間
12月10日~16日
平成18(2006)年に「拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律」が施行されました。
日本人拉致問題は早急な解決が望まれる国民的課題です。しかし、朝鮮半島に住む人々や、日本で生活する朝鮮半島につながりがある人々に責任があるわけではありません。個人に対する差別・偏見が生じることがないようにしましょう。
問い合わせ:人権・同和政策・男女共同参画推進課
【電話】23-1490
