- 発行日 :
- 自治体名 : 福岡県八女市
- 広報紙名 : 広報八女 2025年4月1日号
■誰もがありのままの自分でいられる未来を作るために
1月に開催した第4回人権セミナー八女では、短編映画「明日、晴れますか」の上映と、安武優希さんのアフタートークを行いました。この映画はLGBTQ+(※1)の理解促進に取り組む学生団体「Overthe Rainbow」の高校生が脚本から撮影まですべてかかわり制作したものです。安武優希さんは高校在学中(現在大学生)に「Overthe Rainbow」の立ち上げに参加し、現在も広報活動されています。
※1 多様な性について表す言葉の総称としても使われることがあります。それぞれに好きのあり方(好きになる性)や心の性のあり方は十人十色でその要素も様々です。
▽活動を始めたきっかけ
高校生のときに「福岡未来創造キャンプ」に参加し、LGBTQ+について話し合う場で自分に知識がないことを痛感しました。私はそれまで「当事者は私の周りにはいない」と思い込んでいましたが、いないんじゃなくて、周りに言えないだけなんじゃないかと気付きました。知らないがゆえに、無意識で誰かを傷つけているかもしれないと怖くなりました。「私たちは何ができるだろう」と考え
学生団体の一人として活動を始めました。
▽ふれてはいけない問題?
最初は、私たちと同世代の人たちに伝えたいと考えていました。SNSでの発信やパンフレットで啓発しようと考えましたが、実際に当事者と出会い活動していく中で、私たちの身近な存在である両親や先生方など大人が「ふれてはいけない問題」として考えている方が多いと感じました。そこで短い映画を制作し興味のある人だけではなく、いろんな人に見てもらい、まずは知ってほしいし、映画を見て感じたことを周りの人と共有してもらいたいと思いました。私たちが活動することで少し周りの反応が変わったかなと感じています。
▽LGBTQ+は特別じゃない
「私の身近にはいない」「言葉は知っているけど何となくしかわからない…」という方も多いと思います。今回のLGBTQ+ だけじゃなく、いろいろな差別が今も存在していますが、それの一つ一つをとっても、私は「そんな差別心なんて持っていない」と心の中で思っていることも、言動にしてみるとちょっと傷つけている言葉もあるんじゃないかなということを、活動していく中で実感しました。差別をなくしたいという思いはありますが、まずは「知らない」というのを変えていくことからだと思っています。
▽安武さんから新学期を迎えた若い世代のみなさんへ
私は、高校生の時からこの活動を始め、「誰もがありのままで生きられる世界を作りたい」と思いながらLGBTQ+に対する差別を解消する啓発に取り組んできました。しかし、活動を広める以上に、私自身の考え方や人生観に大きな影響を与えるような素敵な出会いがたくさんありました。みなさんも新学期・新年度となり、多くの出会いがあるかと思います。出会った人を大切に、何気ない日常の中で、誰かを思いやる気持ちが素敵な世界になることを祈っています。
いろいろな性のあり方があると知ることにより、思い込みや偏見を取り除いていくことができれば、誰もがありのままで生きられる社会に近づいていくのではないでしょうか。だからこそ自分の周りにも当事者がいると認識することや、色々な視点を持つことで差別や偏見をなくしていく一歩につなげていきましょう。
問い合わせ:人権・同和政策・男女共同参画推進課
【電話】23-1490