くらし 令和7年度施政方針

簑原市長が3月の市議会定例会で示した令和7年度の施政方針。
市長選の公約として掲げた「8つの政策」に沿って、新年度に実施する重点施策の具体的な取り組みを進めます。

■地域課題の解決に向けて今こそ未来投資と変革を
本市の人口減少をはじめとした地域課題は、一朝一夕で解決できるものではありません。将来を見据えた対策が必要であり、まずは八女市の未来像を描くことが重要です。この未来像を描く作業を令和7年度の重点課題とし、市役所全体で取り組むため、組織機構の一部見直しを行います。
令和7年度は「第5次八女市総合計画前期基本計画」の最終年度であり、地域課題解決のための人材育成、災害対策や交通対策を推進し、安心安全な生活基盤を強化します。また、地域経済の活性化も喫緊の課題であり、農林業、商工業、伝統産業などを成長させ、新たな企業誘致を進めます。これにより、若い人が働きたい仕事を増やし、地域の活気と所得向上を図ります。
同時に、令和8年度からの5か年計画として「第5次八女市総合計画後期基本計画」を策定し、未来の姿を描きつつ、変化する時代に柔軟に対応できる体制を整えます。
これまで「変革」をキーワードに掲げましたが、人口減少問題などを解決するため、危機感とスピード感を持って取り組みます。また、市の持続的な発展には安定した財政運営が必要であり、未来に向けて何に投資すべきか取捨選択する必要があります。そこには痛みを伴う場合もあるかもしれませんが、市民との対話を重視し、信頼関係を築きながら開かれた施政運営を行ってまいります。
これから市民が希望を持てる市をつくるため、8つの政策に基づき新年度の重点施策を実施してまいります。

(1)市民が主役の施政を行う八女市
市民の主体的なまちづくり活動を支援し、市職員の創造性を引き出すための未来創造戦略室の設立や、新しい職員提案制度の実施、外部人材の登用を行います。

(2)全ての産業が元気で稼げる八女市
大阪・関西万博への出展による八女茶の世界展開や農産物の輸出拡大に加え、ITツール導入支援による中小企業の生産性向上、経済と環境の好循環を促進するための林産業機械投資への補助や再生可能エネルギー利活用事業を実施します。

(3)教育や育児のための最高の環境が整った八女市
GIGAスクール事業の推進により教育のデジタル化・効率化を支援し、将来を担う人材への投資を行います。また、保育所運営支援や子育て支援の充実を図り、併せて子育てに係る経済的な負担の軽減策を実施します。

(4)医療・福祉が充実した八女市
安心して医療・福祉を受けることができるように、公立八女総合病院の医師確保や中長期的な病院運営の協議を進めます。また、子育て世帯訪問支援事業を実施して、配慮が必要な家庭のサポート体制を強化します。

(5)誰もが安心・安全に住める八女市
過疎化が著しい地域に対して買い物拠点などの生活インフラに関する民間サービスの参入を支援するほか、交通不便の解消に向けて、ライドシェアを含めた新たな交通手段の導入を検討します。また、人権・同和教育啓発センターを中心に啓発による人権問題の解決を推進するとともに、女性の力が十分に発揮できる社会の実現に向けた取組を実施します。

(6)伝統・文化・芸術が栄える八女市
文化資源の保存と活用を進め、伝統的建造物群保存地区では伝統的建造物の修理支援や保存活動団体と空き町家の利活用や新規創業を推進します。また、磐井の乱1500年記念に向けた岩戸山歴史文化交流館でのプロモーションを実施します。
(本紙14ページに関連記事)

(7)多くの人が訪れる八女市
観光資源を活用し、国内外の観光客増加を目指します。また、都市と八女市の二地域居住を推進するため、保育園留学を進めます。
人流の活性化により交流人口や移住者の増加を目指します。

(8)環境先進都市八女
脱炭素の取り組みを推進し、Jクレジット創出や木質バイオマスの利活用を進め、経済活性化と環境保全を図ります。