文化 文化薫道(ぶんかくんどう) 〜文化の風が吹くまち ちくしの〜

■其の百十三
実(じつ)は私(わたし)、神様(かみさま)なんです~山家宿(やまえしゅく)の恵比須石像(えびすせきぞう)~

山家八区公民館前の坂道を上っていくと、道端にえびす様が彫られた石像があります。
えびす様といえば、七福神の一人として、豊漁、繁栄、繁盛の神様として信仰されています。その姿は、折れ曲がった烏帽子(えぼし)や平安時代の貴族の衣装の一種である狩衣(かりぎぬ)を身に着け、右手に釣竿、左手には鯛を抱えた絵で表現されていることが多いです。顔は丸々としており、大きな耳、立派な髭(ひげ)をたくわえ、満面の笑顔、見ているだけでご利益がありそうです。
しかし、山家宿の恵比須石像は、顔はスリムで、耳も大きくなく、髭も生やしていません。その姿は、神様というよりも写実的な人間に近いようです。このような特徴を持つえびす様が県内で確認されているのは、この石像だけです。
その姿からはご利益があるように感じないかもしれませんが、そこには何か特別な思いが込められているのかもしれません。一度、山家宿のえびす様を見て、人々の思いを想像してみてはいかがでしょうか。

問合せ:文化財課