文化 きゅうはく通信(176)

■「あんしん」して過ごせる博物館
九州国立博物館は「誰もが」楽しめる博物館を目指して、様々な取り組みをしています。昨年は「あんしんマップ」と「あんしんガイド」を作りました。
あんしんマップとは、光や音、においなどの情報を館内のマップに掲載したものです。発達障がい者が使うことを想定して作りました。発達障がい者の中には感覚が過敏な人がいて、例えばまぶしい光が苦手、突然音がなるのが怖い、など人それぞれ感じ方が違います。当事者はこのあんしんマップで自分が苦手な場所や休める場所を事前に知ることで安心して博物館を楽しむことができます。
あんしんガイドは、はじめて九州国立博物館に来る人が使うためのガイドブックで、博物館に来てから帰るまでの流れを写真と文章でわかりやすく説明したものです。例えば、博物館のルールやチケットの買い方、展示室や体験型展示室「あじっぱ」の楽しみ方などが書いてあります。事前にあんしんガイドを読むことで、館内で安心して過ごしてもらえればと考えています。
これらの取り組みは「誰もが」楽しめるようにするための小さな一歩ですが、コツコツと努力を積み重ねて誰もが「あんしん」して過ごせる博物館にしていきたいと思います。

九州国立博物館 企画課