- 発行日 :
- 自治体名 : 福岡県太宰府市
- 広報紙名 : 広報だざいふ 令和7年4月1日号
■特別史跡大宰府跡の整備〜整備基本計画の策定〜
太宰府市には8つの史跡が所在し、そのうち3つが全国に64件しかない特別史跡に指定されています。
特に特別史跡大宰府跡は、市内に所在する史跡の中心となる存在です。これまで大宰府跡の整備は、大正15年に当時の水城村が注意札を修理するなど、大正10年の史跡指定からあまり期間を置かずに行われ、昭和25年には3カ年の計画で戦後の荒廃からの復旧整備が行われています。その後、本格的な史跡整備として、昭和47年〜58年にかけて福岡県が大宰府跡の中枢となる大宰府政庁跡の整備をし、ほぼ現在の姿となっています。また、昭和55年度には遺構の覆屋である大宰府展示館が開館しました。この整備以降、小規模な整備と補修を行い、平成26年の客館跡の特別史跡への追加指定、令和元年からの客館跡の一次整備を経て、現在の特別史跡大宰府跡の姿となっています。
中でも大宰府政庁跡は、多くの市民に親しまれてきましたが、福岡県による整備から約50年が経過し、遺構の復元箇所やトイレなどの便益施設、橋や水路など多くの箇所で傷みがみられるようになりました。また、大宰府政庁跡の西側の蔵司地区をはじめ、未整備の箇所も多く残されています。このため、本市では令和4年度から史跡の再整備や未整備箇所の整備のため、「特別史跡大宰府跡整備基本計画」の策定に取り組み、本年3月に完成しました。
この計画では、史跡の保護を前提に、大宰府政庁跡の再整備や周辺の未整備箇所に対する整備、近年の異常気象により発生する災害への対応、緑地や水路の整備など、史跡整備の現状と課題を整理して方針を記載しています。
そして、これらの整備により、古代大宰府の歴史文化が感じられる心地よい空間の維持向上をすることを基本理念としました。これまでもこれからも多くの人に親しまれ、より良い姿で史跡を後世に守り、伝えてきたいと考えています。
文化財課
沖田(おきた)正大(まさひろ)