- 発行日 :
- 自治体名 : 福岡県古賀市
- 広報紙名 : 広報こが 2025年10月号
「~をすると不幸になる」「~は縁起が悪い」―
そんな言い伝えや習慣、地域の風習に、心当たりはありませんか?
「常識」や「しきたり」として、世代を超えて受け継がれてきた“当たり前”が、誰かの自由を奪い、心を傷つけていることがあるかもしれません。
■考えてみませんか 迷信や風習と人権とのかかわり
私たちの暮らしの中には、古くから伝わる「迷信」や「風習」が数多く存在しています。こうした言葉には、長い歴史の中で生活の知恵として語り継がれてきたものもあれば、不安や恐れから生まれた根拠のない俗説もあります。
過去には「丙午(ひのえうま)」の迷信によって、1966年(昭和41年)に出生数が極端に減少するという社会現象が起こりました。この迷信が真実でないことは、現代の科学的な知見からも明らかです。
迷信や風習を「昔からそう言われているから」「みんながそうしているから」と、疑うことなく受け入れてしまえば、それが差別や排除の温床となり、誰かを孤立させたり、傷つけたりする原因になりかねません。
また、このような根拠のないものに従う姿勢は、差別に直面したときに「差別はいけないが、世間がそうしているから」といった”差別を容認してしまうこと”にもつながる恐れがあるのではないでしょうか。
迷信や風習にあるのは”文化”ではなく”人権侵害”かもしれない―そんな視点を持つことが、現代を生きる私たちには求められています。
人は誰もが、自分の価値観や考え方に基づいて生きていく自由があります。
迷信や風習を根拠に「行動が制限され、自由を狭めてしまっている」「本来得られるはずの機会が奪われている」ことはないでしょうか。
私たち自身の言動や態度を見直してみましょう。
何気ない一言や、受け継がれた”常識”の中にこそ、人権意識が問われる場面があります。
根拠のない情報をうのみにしない
相手の立場に立って想像してみる
小さな気づきが、誰かを守り、そしてよりよい社会をつくる第一歩になります。
“当たり前”を問い直すことから、人権の大切さを考えてみませんか。
問合せ:人権センターWith(ウィズ)
【電話】092-942-1128