- 発行日 :
- 自治体名 : 福岡県水巻町
- 広報紙名 : 広報みずまき 令和7年9月10日号
認知症の本人の声を尊重し「新しい認知症観」に基づいて共生社会の実現を推進するための法律、「認知症基本法」が令和6年1月1日に施行しました。この機会に、認知症になっても自分らしく暮らせる社会の実現を目指し、認知症についての理解を深めましょう。
1.認知症とは?
脳の細胞が壊れたり、動きが悪くなったりして記憶力や判断力に障がいが起こり、およそ6カ月以上生活に支障が出ている状態で、加齢による物忘れとは異なります。
2.認知症の種類
■アルツハイマー型認知症
昔のことは覚えていますが、最近のことは忘れてしまいます。軽度のもの忘れから徐々に進行し、やがて時間や場所の感覚がなくなっていきます。
■脳血管性認知症
脳出血や脳梗塞などの脳血管障害が起こるたびに段階的に進行します。障がいが発生した脳の部位によって症状が異なります。
■レビー小体型認知症
現実にないものが見える幻視の発生や、手足が震えたり、筋肉が固くなることにより歩幅が狭くなったり、転びやすくなったりします。
■前頭側頭型認知症
感情の抑制ができなくなったり、社会のルールが守れなくなったりといったことが起こります。
3.新しい認知症観とは?
認知症になったらすぐに何もできなくなるわけではありません。認知症になってからも個人としてできること・やりたいことがあり、住み慣れた地域で仲間などとつながりながら、希望をもって暮らし続けることができるという考え方が、新しい認知症観(新しい常識)です。
■古い認知症観(古い常識)
(1)他人事、なりたくない、目をそらす、先送り
(2)認知症だと何もわからない、できなくなる
(3)本人は話せない、本人の声を聞かない
(4)おかしな言動で周りが困る
(5)危険重視(危ないからやめさせる)
(6)周囲が決める
(7)本人は支援される一方
(8)地域で暮らすのは無理
(9)認知症は恥ずかしい、隠す
(10)暗い、萎縮、あきらめ、絶望的
■新しい認知症観(新しい常識)
(1)わがこと、向き合う、備える
(2)わかること、できることが豊富にある
(3)本人は声を出せる、本人の声を聞く
(4)本人が一番困っている、本人なりの意味がある
(5)あたりまえを重視(自由と安全のバランス)
(6)本人が決める(決められるように支援)
(7)本人は一足先を行く人、支え手でもある
(8)地域の一員として暮らし、活躍
(9)認知症でも自分は自分、自然体でオープンに
(10)楽しい、のびのび、あきらめず、希望を
4.町の取り組み
■認知症サポーター養成講座
認知症について正しく理解し、認知症の人やその家族の気持ちを理解し、寄り添い・見守る応援者としての知識を伝える講座です。講座終了後は、認知症サポーターの目印としてオレンジ色のバッジを配布しています。さらに、ステップアップ講座を受講し、町に登録することで、「おれんじサポーター」として活動することもできます。
■認知症初期集中支援チーム
「認知症の診断を本人が拒否する」、「認知症の症状が強いものの、介護サービスを拒否して困っている」などの場合は「認知症初期集中支援チーム」に相談してください。医療や介護の専門家でチームを組み、認知症が疑われる人やその家族に対して、早期診断・早期対応に向けた支援を行います。
■成年後見制度利用促進
認知症や障がいなどによって判断能力が不十分な人の権利を守るため、契約手続きや金銭管理などの支援をする成年後見制度などに関する相談を、水巻町社会福祉協議会権利擁護センター【電話】202-3700で受け付けています。