- 発行日 :
- 自治体名 : 福岡県大刀洗町
- 広報紙名 : 広報たちあらい 令和7年11月号
町には今もなお、時代を超えて息づく多くの伝統文化が受け継がれています。
今回は、大堰神社の御鎮座百年を記念し、筑後川の恵みや五庄屋の功績を背景とした大堰周辺に伝わる伝統文化を紹介します。
■大堰神社
大堰神社は、筑後川に床島堰を築くことで筑後平野に水を引き、「三千町歩(ちょうぶ)」(約3,000ヘクタール)とも言われる広大な穀倉(こくそう)地帯の礎(いしづえ)を築いた功労者、草野又六(くさのまたろく)と高山六右衛門(たかやまろおくえもん)ほか「五庄屋」と呼ばれる江戸時代の郷土の偉人をまつる神社です。
大刀洗町だけでなく、久留米市、小郡市にまたがる田畑が恩恵を受けており、難工事に挑んだ先人の苦労と「進取の精神(新しいことに積極的に取り組む姿勢)」を偲(しの)ぶ場所として受け継がれています。
■浦安の舞(巫女舞)
浦安の舞は、地域の安寧と五穀豊穣(ごこくほうじょう)を神前に祈念する舞です。伝統的な神楽舞をもとに近代に作られたもので、前半の「扇舞(おうぎまい」と後半の「鈴舞(すずまい)」に分かれています。
大堰神社御鎮座百年記念大祭では、五庄屋の「進取の精神」を次の代に伝えるという意味を込めて、地域の小学生が扇舞を、中学生が鈴舞を披露します。
■大堰お田植え踊り
昭和3年、宮中で行われる「大嘗祭(おおなめさい」に、町で栽培された稲わらが奉納されることになり、その記念として、稲わらを収穫する際に行われる田植えを祝う「大堰お田植え踊り」を創作しました。
この踊りは、郷土の貴重な文化財として地域で大切に受け継がれてきましたが、戦争の影響などにより長らく中断していました。
しかし、昭和51年の秋、地元有志や町民の強い願いにより「お田植え踊り」は復活。さらに昭和61年には、町が再び宮中献上米(きゅうちゅうけんじょうまい)(建国米)の栽培を行い、伝統継承が本格的に再開し、現在では、大堰小学校の児童や「大堰お田植え踊り保存会」の皆さんによって、地域の誇る伝統行事として大切に伝承し続けています。
■大刀洗町五庄屋太鼓保存会
大刀洗町五庄屋太鼓保存会は大刀洗町、久留米市、小郡市の広大な田畑に「床島堰」を築く際、堰の建設に尽力した「五人の庄屋」の功績をたたえ、昭和61年に発足しました。
地域のこどもたちが代々受け継ぎ、町のシンボルの1つとして活動が続いていましたが、平成28年に少子化の影響でメンバーが減少してしまい、活動は休止。
その後、この活動を復活させようと立ち上がったのは、「大刀洗町五庄屋太鼓保存会」の卒業生。平成30年の春に卒業生を中心に再結成され、こどもだけでなく大人もこどもも太鼓をたたくスタイルに変化しました。
現在は30人で構成され、毎週火曜日と木曜日の週2回、大刀洗ドリームセンターで練習を行っています。えだまめ収穫祭やドリームまつりなど町のイベントに数多く参加しており、小中学生から大人まで幅広い年齢層のメンバーが心を一つにし、力強い音を奏でています。
〇メンバー募集
大刀洗町五庄屋太鼓保存会は、現在メンバーを募集しています。見学・体験もできますので、お気軽にお越しください。
■大堰神社御鎮座 百年記念大祭
大堰神社は、大正14年11月29日に創建されました。
御鎮座百年を記念して大祭を執り行うにあたり、九州大学芸工学部と協同し、新たに作ったのぼり旗や御守りを、床島用水の水量調整に使用されていた「水門把手」をモチーフにデザインしました。
日時:11月29日(土)午前9時30分~午後8時
会場:大堰神社
内容:
・社頭行事(秋季大祭)
・奉納行事
・野外行事(床島用水旗立て)
・堂籠り(お火焚き)神楽
出演:
・五庄屋太鼓
・大堰剣心会演武
・大堰お田植踊り など
問合せ:大堰神社
問合せ:地域振興課協働推進係
【電話】77-0173
