文化 ふるさと再発見 広川町郷土史研究会

■広川町にある巨樹・珍樹 その11
○スダジイとツブラジイ
常緑の高木で、いわゆるシイの木ですが、ブナ科に属するドングリの仲間です。最近では、子どもたちがシイの実を拾って食べることもなくなりましたが、ひと昔前までは、まさに自然からの恵みで、格好(かっこう)のおやつでした。町内でも里山(さとやま)や神社境内地をはじめ、石人山古墳やグリートパークなどには、それなりの大樹が多く残っています。確認できる範囲では、藤田区の鎮守社(ちんじゅしゃ)である高良玉垂命神社(こうらたまたれのみことじんじゃ)境内地にあるスダジイが、ひときわ目立つ存在といえます。
樹高 約20.0メートル
幹周 3.0メートル
推定樹齢 約150年
を測ります。
石人山古墳にも60本を超すシイの木を確認していますが、こちらはツブラジイが大半を占めているようです。
広報紙6月号でも紹介しましたが、大正11年ごろに一度伐採されているため、墳丘周辺の樹木の樹齢はおおむね100年と考えてよいでしょう。それでも、樹高は約30メートル前後として、幹周は3.5メートルや4.2メートルを測るものがあります。他樹に比べて成長は早いと理解できるかと思うのと、石人山古墳北側は、伐採を免れたのではないかと考えます。

○スダジイとツブラジイの見分け方
一番の違いは、実の形状です。スダジイは先端(せんたん)の尖(とが)った卵形(たまごがた)ですが、ツブラジイはより球形に近いのが特徴です。樹の膚(はだ)にも特徴があり、スダジイは縦にひびが入っていますが、ツブラジイは平滑です。この2点を比べと見分けができるかと考えます。

■広川町古墳資料館だより
一條区の森園遺跡「第43号竪穴住居」から出土した土器を並べてみました。
素焼きの土師器(はじき)と窯で焼かれた須恵器(すえき)があります。
大・中・小の甕(かめ)、蒸すための大小の甑(こしき)、それぞれの食器としての坏(つき)・椀(わん)です。
調理や保存に多くのうつわが使われるようになり、古墳時代の食生活の様子が垣間見えます。