文化 おぎの歴史探検隊

■昭和小史〈2〉 本町商店街(小城町)のにぎわい
「ゆめぷらっと小城」前の国道を東に少し進むと、下町との交差点があります。その十字路から南にまっすぐ延びた通りが本町通りです。今では静かな住宅街となったこの通りは、かつて戦後の復興期から高度経済成長期に、小城町の中心的商店街として賑わいました。通りはそのまま小城駅へと続いており、今のような車社会でなかった時代、大勢の列車の利用客がここを行き来しました。
当時の本町商店街には、さまざまな業種の小売店や飲食店などが軒を並べ、衣食住に必要なものを買い揃えることができました。商店主たちも商売熱心で、農閑期にはオートバイによる宣伝隊を組み、近隣の農村までPRに出かけたりしました。また、この通りには2つの映画館があり、全盛期には東映映画専門の「小城東映」と、日活・東宝・大映などの邦画や洋画を上映する「昭和館」が、競うように観客を集めたものです。
昭和28年の岡山神社秋季祭から始まったのが「シャンシャン祭」で、この祭は本町商店街の振興を兼ねて行われました。当時の本町は神輿を担ぐ子どもの数も多く、毎年秋の「おくんち」には、神輿見物の人で通りが埋まるほどでした。しかし、商店街の衰退と少子化でこの祭も、今では思い出の中に残るのみとなりました。(続)

小城郷土史研究会/著