- 発行日 :
- 自治体名 : 佐賀県吉野ヶ里町
- 広報紙名 : 広報よしのがり 2025年7月号
2月25日、吉野ヶ里町教育委員会は「修学院石造狛犬(しゅがくいんせきぞうこまいぬ)」を町の重要文化財に指定しました。
名称・員数:修学院石造狛犬(しゅがくいんせきぞうこまいぬ)2体
種別:重要文化財(彫刻)
所在地:吉野ヶ里町松隈1400番地
所有者:修学院
製作年代:江戸時代前期(推定)
法量:
阿形(あぎょう)像 像高36.8cm 前肢幅18.5cm 前後長26.3cm
吽形(うんぎょう)像 像高31.1cm 前肢幅19.7cm 前後長37.6cm
〇解説
この狛犬は現在、天台宗の古刹(こさつ)である修学院に鎮座していますが、脊振山中宮の乙護法堂(おとごほうどう)に祀られていたものを、脊振山下宮である修学院に移転したものです。この狛犬はいわゆる肥前狛犬と呼ばれる、小形で独特の顔立ちと体型を持ち、桃山時代末から江戸時代前期を中心に製作された地方色の強い石造物で、佐賀県を中心に、福岡、長崎、熊本各県の一部で見られます。
また、阿形(あぎょう)像・吽形(うんぎょう)像にそれぞれ乙丸・若丸と名付けられていますが、これは平安時代の僧である性空上人(しょうくうしょうにん)が脊振山で修行した際に付き添い従ったという二人の護法童子(ごほうどうじ)の名で、脊振山にて修行したという伝承を持つ性空上人(しょうくうしょうにん)との関連が考えられ、脊振山の歴史や高僧にまつわる伝承を考える上でも貴重なもので、高い歴史的価値を持つものです。
問い合わせ:社会教育課文化財係(中央公民館)
【電話】0952-37-0340