くらし 町の取組や出来事を紹介!みやきプラス No.24

『未来に躍動する「共感」「協働」のまちみやき』を掲げた本当の理由(3)
~自治体経営マネジメントの大切さ~
みやき町長 岡 毅

先月号の終わりに「自治体においても経営マネジメントが大切」というお話をさせていただきました。シリーズ完結の今月は、具体例をもってその大切さを皆さんに知っていただきたいと思います。
皆さんは「夕張レポート」をご存じでしょうか?平成18年に財政破綻を宣言した北海道夕張市。以来、地方公共団体財政健全化法に基づき「財政再建団体」の指定を受け、国の強力な監視のもとで財政健全化に取り組んでいます。現在は、「財政再生団体」に移行していますが、その間、住民サービスの削減や小・中学校の統合、市職員の給与カットなど厳しい対策が講じられました。この夕張市の財政破綻の要因について、国やマスコミなど様々な関係機関が分析し、公表しています。それが「夕張レポート」と呼ばれるものです。
多くの「夕張レポート」は(1)炭鉱閉山後の社会基盤整備、(2)行政体制の効率化の遅れ、(3)観光施設への過大投資、(4)歳入の減少、(5)不適正な財務処理手法などを要因として挙げています。この中で、識者や私が一番問題視する点が、「(5)不適正な財務処理手法」です。簡単に説明すると、年度をまたがる貸付け・償還(返済)を行い、実質的な赤字を隠す手法(ジャンプ方式)を長年繰り返し、その結果、更なる赤字を累積していた、というものです。
この「夕張レポート」は全国の自治体にも多くの教訓を示しています。全ての自治体は、税金を使って行う全ての事業に関して、高いモラルを持って臨み、透明性を担保しなければならない。さらにその高い透明性をもって、住民に対し小手先でだましたりせず、真摯にわかりやすく事業の中身を公表する状況を作らなければならない。また、住民は公表された様々な資料をチェックし、常にそれが税金の使い道として正しいのか?検証する努力を続けなければならない。ということです。
住民の方々へ急に「チェックしましょう」と言っても、それはなかなか難しいことです。しかし、このルーティンができれば、みやき町は決して間違いが起きない「素晴らしい町」になります。積極的にこの姿を目指すべきなのです。これができれば、まさしく住民が政治に参画する「共感」「協働」のまちとなるのです。第三次みやき町総合計画に描かれた未来はここを目指していると皆さんに認識していただきたい。理想は高ければ高いほど、やり甲斐があるものです。
私は、皆さんと一緒に「理想のみやき町」を目指したいのです。