文化 歴史と文化のこぼれ話

■学芸員のとっておき!
今月のテーマ:どうして長崎に恐竜博物館があるの?

恐竜博物館は、10月29日で開館から4年を迎えます。これまでに70万人以上が来館しましたが、「どうして長崎に恐竜博物館があるの?」という質問をよくされます。
その最大の理由は、学術的に価値が高い化石が長崎半島南部で多数発見されたことです。平成22年以降、貴重な化石が次々と発見され、平成27年には国内で初めてティラノサウルス科大型種の歯の化石が見つかりました。さらに、これまで国内では断片しか見つかっていなかった翼竜の化石も、長崎で初めてまとまった状態で発見されました。こうした貴重な化石を、発見されたその地域で守り、皆さんに見てもらいながら未来へ残していくために、博物館が建てられたのです。
また、博物館がある野母崎地区は、長崎半島の南の端にあります。のもざき伊勢エビまつりや水仙まつり、軍艦島を望む絶景など、たくさんの魅力がある地域です。しかし、人口減少が進んでいるため、人が集まれるような魅力ある場所が求められていました。恐竜博物館が誕生したことで、新しい祭りが始まったり、新しいお店が増えたり、地域のにぎわいづくりにもつながっています。恐竜博物館は「学びの場」であると同時に、「地域を元気にする場」としての役割も果たしているのです。
そしてこの秋、10月4日からは「ながさきピース文化祭」の特別展として「恐竜今昔物語」を開催します。長崎半島から発見された化石をメインにした調査研究をまとめていて、観覧無料です。秋のお出掛けや学びの時間に、ぜひ恐竜博物館にお越しください。
恐竜研究所 学芸員 中谷