- 発行日 :
- 自治体名 : 長崎県大村市
- 広報紙名 : 広報おおむら 2025年4月号(No.1548)
◆気になる腸のお話し
市立大村市民病院 救急総合診療科 久保地 美奈子 先生
皆さん「腸内細菌」についてご存知でしょうか?私たちの腸内には、口腔から肛門までに100兆個以上の腸内細菌が生息しており、それらの細菌群は腸内細菌叢(そう)と呼ばれています。
腸内の表面にある腸粘膜上皮は生命に必要な栄養素を消化吸収する場であり、かつ病原細菌やアレルゲン、ウイルスなどを排除する免疫組織としての役割を担っています。
近年研究が進み、腸内細菌の変化がメタボリックシンドローム、脂肪肝にも関与していることが明らかになっており、栄養として食物繊維がとても重要だと言われています。
食物繊維は腸内細菌の餌であり、減少すると腸管の粘液層の粘液糖タンパク質が栄養源として利用され、腸管の免疫機能が低下してしまうのです。
令和5年の厚生労働省の調査では40歳〜49歳の食物繊維摂取量は男女平均で1日あたり17gとの結果が出ており、目標の男性21g以上、女性18g以上(食事摂取量基準2020年)に届いていません。
野菜やきのこ類など、普段から積極的に食物繊維を摂取し、腸内環境を整えましょう。