子育て 【特集】新しい学びのかたち(3)

■東小学校6年
米田覚真(こめだかくま)さん
自分用のタブレットがあることで、屋外で虫や植物など、自分が気になったものの写真を撮れることが良いと思います。また、社会科見学の時には、写真を撮るだけでなく、気になったことをすぐに調べることができてとても良かったです。
また、自分の意見をまとめる時には、タブレットの中のカードに、思いついた考えをいくつも作ることができるのも良いところだと思います。友だちとカードを見せ合うことで、自分とは違う意見をすぐに知ることができ、とても参考になっています。

■東小学校
古藤進一 教諭
「より子どもたちに向き合う時間ができています」
今、タブレットで行っていることは、以前の学校でも行っていたことではあります。しかし、手書きで教材を作ったり、黒板に発表内容を書いたりといったことに時間がかかります。機器がネットワークでつながっていることで、皆の考えをスムーズに共有することができることで、より多くの発表ができたり、子どもたちに向き合うこともできます。教師用の端末には、それぞれの学習状況が入ってくるので、それぞれの進み具合に合わせたフォローが可能になります。ヒントが必要な児童には、個別に、しかも動画などより分かりやすい方法を使って手助けをすることができるので、授業全体のスピードを落とすことなく、フォローが可能になったというのはとても良いことだと思っています。
教職員としても、これまでかなりの時間を必要としていた授業の準備や問題の答え合わせ、子どもたちの考えをまとめるなどの時間がタブレットを使うことで減ったり無くなったりするので、より子どもたちに向かい合う時間が確保できています。

◆生徒の自主活動にも活用しています
《雞知中学校(美津島町)》
小学校より先にタブレットが1人1台配備された中学校では、コロナ禍で休校となった際に、タブレットを介して健康観察や家庭学習に使用するなど授業時以外でも活用が進められてきました。
各教科ごとに、より専門的な知識を学ぶ中学校では、それぞれの教科ごとにタブレットを使うメリットがあります。ICTを担当する埴原(はにはら)弘貴教諭は「私の受け持ちの数学では、関数や図形などが色々な方向から見ることができ、より問題が考えやすくなっていると思う」と話します。
また、中学生は生徒会活動など、教科以外の部分での活用も進んでいます。生徒会活動のお知らせやアンケートなどを事前に配布することで、スムーズな活動につながっています。生徒自らテーマを見つけ答えを探す「探究学習」では、学習への使用に加え、成果を発表する手段としてもタブレットは活躍していて、全校生徒に向けて行う学習発表会では、タブレットを駆使し、それぞれが学習の成果を発表しました。
・教科や学校活動で幅広く活用されるタブレット

■成果と課題は?
ICT教育の実施によって、児童生徒数の減少や体験機会が少ないといった対馬が抱える教育環境の問題に対して良い影響が生まれています。今後は、ネットワークを利用する際の危険性の理解やモラルの向上など、子どもたちだけでなく家族や地域全体で一緒に考えていく必要があります。